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2018.07.18
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人間は、生物としては、機械なしでもりっぱに生きていける。今のところ、機械の方はそうもいかない。しかし人類社会全体のレベルでは、今日すでに、
人間が機械に依存する部分の方が機械が人間に依存している部分よりけるかに大きい。人類は、(全体として)機械系の自動的発展のなかに深くまきこまれ
つつある。個々の意志はもはや問題ではない。
 そして、機械系は、人間からあたえられた合目的性と合理性という原理のほかに、あまり余計なものをかかえこんでいないから、当然(進化)のスピード
は速い。それは、あるところまでは、人間の適応を強制し(つつ進み)その適応が限界までくるや、もはやひよわで矛盾性を多く持つ人間の手を借りずに、
自分で動き出す。人間系と機械系は、ある地点から急に平行線をたどり出すの
だ』(小松左京『人間の未来』)
 平行線のうちはよいけれども、やがてそれは大きくひらいてゆくだろう。機械系はおそらく無限に上昇線をえがき、人間系は下降線をたどってゆく。行きつくところは人間系の破産ではないか。
 電波工学者で作家をかね、かつすぐれた科学評論家のアーサー・C・クラークなど、はっきりとそう考えているひとりである。人間は、やがてみすがらの
手で生み出した機械に、次第にその地位をゆずり、機械系は、人類の滅亡とまでは行かなくとも、人間が歴史の主役からしりぞいてしまったのちも、人間よりさらに進化した生物として、もはや人類のあずかり知らない未来へむかって
発展をつづけるだろう、と彼は『未来のプロフィル』のなかでのべている。その時もなお、機械と共生できるように、なんらかの形に変形または進化
(あるいは退化か)しか人間のみが、機械系の一部品のようなかたちで機械系

とともに未来へ行く。しかし、その時、現在のような「生物としての」人間は、もはや存在していない。巨大な人工頭脳におおわれた地球の片隅に、あの
アマゾンの奥地のインディオのようにとりのこされ、歴史の進行からしりぞいて、自分たちの周辺にのみ関心をいだきながら、しずかに「種」としての滅亡
の時を待ちつづけることになるだろう。
「機械が生きのこって人間がほろびるという考え方は乱暴だが、しかし論理的に不可能ではない」と(未来の思想)はいう。いくつかの疑問はのこる。まず
第一に、機械系が人類の後継生物になれるほど、それはどうまく発展するだろうか、ということがある。機械系が、人類をはなれて完全にひとり歩きできる
ようになる前に、機械系と人間系の矛盾がひとつのデッドロックに乗り上げ人間が急速に衰弱あるいは滅亡し、まだ自己発展できる段階にまで達していな
い機械系も、ともにほろびるということも十分考えられるケースである。私はむしろそのほうにつまい可能性があると見る。





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Last updated  2018.07.18 22:11:39


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