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2010年07月23日
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テーマ:お勧めの本(7264)
カテゴリ:カテゴリ未分類
「女教皇ヨハンナ」を最初に読んだのは1年以上前、きっかけはこの本が
映画化され、ファラミア役のデヴィッド氏が主人公ヨハンナの恋人で騎士
のゲロルトというとてもいい役で登場するという話を聞いたからです。その
時はほとんどゲロルトばかり追いかけてどういう姿なのかあれこれ想像し
ていたのですが、今回は修道院や教皇の生活についても考えながら読み
返しています。

海賊の襲撃があってゲロルトとも離れ離れになった後、ヨハンナは髪を短く
切り男の姿になってフルダ大修道院に行き、そこで何年も暮らします。その
修道院はヨハンナの父が兄のヨハネスを行かせようとしていたところで、ただ
1人生き残った男の子を入れるということは、修道院というのがまったく世俗
を離れてしまうのではなく、勉強や修行の場として数年間過ごすということも
あったのでしょう。もちろん大部分の修道士は修道院へ入った時点で世俗を
離れそこで生涯過ごしているのでしょうけど。

ジョルダーノ・ブルーノは17歳で修道士になる決意をして修道院に入ってい
ます。もちろん信仰心もあったでしょうけど、1番の理由は修道院が当時後ろ
だてや財産のない平民の子が勉強を続けていくのに最も適した場所だった
からだと思います。修道院には当時貴重だった本が豊富に集められていて
生活の心配をすることもなく好きなだけ勉強できる、生活は質素で厳しく規律
に縛られていても、自由に本が読めるということが向学心あふれる子にとって
は何よりも魅力なのでしょう。

ヨハンナも兄の名前でフルダの大修道院に入ります。厳しい規律に守られた
生活ですが、厚い僧衣に身を包んでいるので女とバレる心配も少なくそこで
何年も暮らして10代の女の子から20代の女性へと成長します。ここでヨハ
ンナは後に教皇にまで上りつめるきっかけとなる貴重な技術と知識を身につ
けます。頭のよいヨハンナは修道院の医師ベンヤミンの弟子となり医療の知識
と技術を学びます。今の時代でも医療技術は世界中の国から求められてい
ますが、伝染病で多くの人間があっという間に死に、間違った技術や呪術的
なものに頼っていた9世紀、確かな知識と判断で人の命を救える医師は貴重
な存在でした。ヨハンナは修道院にいる時、隔離されなければならない伝染病
と診断され、家族と引き離されそうになった女性を治療します。その女性や
家族にとっては奇蹟のようなできごとです。

修道院というのは俗世間を離れて信仰中心の生活を送るために作られた場所
です。中の規律は厳格で厳しいもの、でもそうした信仰の世界の中で貴重な本
が守られ(キリスト教の立場からは後に異端となる本も入っていた)医療技術が
伝えられたという側面もあったということがわかりました。「女教皇ヨハンナ」を
読んで最初は何の後ろ盾もない女の子が教皇になれるわけないと感じましたが
これが男の子であったならば、平民の子でもずば抜けて賢いならば修道院と
いう場所で学んで、確かな技術と知識を持てば、逆にそうした人が貴重な時代
だからこそ人々の尊敬を集め、聖職者として高い地位を得て最後教皇となるこ
ともありえるのかなと思うようになりました。ただ聖職者は地位が高くなればなる
ほど権力や財産を集めてしまうので、ヨハンナの場合もローマで人々の尊敬を
集めてもそれだけですぐ教皇に選ばれるというわけではなく、さまざまな陰謀に
巻き込まれていきます。

一方ゲロルトの方は戦いに参加していて、中世の戦いというのは指揮官以外は
農民や傭兵の寄せ集め軍隊なんだなとちょっと驚きました。きちんとした訓練を
受けていたわけでもなくなんのための戦いかもよくわかってない農民が多数参加
していて、負ければ生きては帰れない過酷な時代、だからこそ何かにすがりたく
なるのでしょう。ゲロルトはこの戦いで大けがしましたが、それでもけがをした自分
の馬への思いやりは、獣と話すことができるというファラミアと同じで涙ぐんでし
まいました。

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Last updated  2010年07月23日 09時59分19秒
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