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テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:アメリカ生活
最近お客さんから聞いた話をいくつか。
1. タイ王国のお話 権造の働いているサロンの隣りにはタイレストランがあって弁当を持っていかない日などは良くお世話になっている。 マイアミのタイレストランって寿司を置いてたり日本食と一緒になっているところが多いのだが、隣りは頑としてタイ料理一本でやっていた。が、リーマン以降の不景気でレストラン業界は大ダメージを受けてそんな中ついに去年から隣りも日本食を置いている。 板前さんはタイ人が2人居てその中の1人が権造のお客さんである。 昨日もランチが終わった直後にカットにやってきた。 最初は他愛も無い世間話をしていたんだが、そのうち権造はふと思い出して『そういえばタイの混乱って収まってきてるの?』と聞いてみた。 日本人カメラマンを含む大勢の人が亡くなった暴動である。2年前だったかのタイの空港占拠の事もまだ記憶に新しいし混乱は続いている。 彼から話を聞いたところによると。 テレビのニュースで必ず目にする黄色いTシャツを着た人達は政府支持者で赤いTシャツを着た人達はタクシン元首相を支持する反政府派の人達だ。ちなみにこの黄色と言うのは現国王のカラーでもある。 問題なのは政治家の殆どが国益の事など考えずに一旦首相になるや否や自分の一族を要職に付けてひたすら自分達の利益のために邁進してしまうことだそうだ。首相といっても一国の長になるための教育を受けているわけでもなく、高卒後そのまま政治家になったりする人たちも多いらしい。高卒自体が悪いというわけではないが政府や法律の仕組みや機能を学ぶ機会も無く周りの私利私欲に走る政治家達を見て自分たちも経験を積んでいく事が最低だと言っていた。 そんな中でタクシン元首相は今までの悪しき慣習を破って色々と革新を試みたようだ。 それが古参の政治家に受け入れられる筈も無く2006年にクーデターが起き、クーデターの翌日にはタクシン元首相は亡命したそうだ。そして今に至るまで世界を転々とする生活を送っている。 タクシン元首相も自分が政権を担っていたときに私欲に走ったのも事実でイギリスのマンチェスターのオーナーになったりと話題になった事も多い。このマンチェスターのオーナーになったことは反タクシン勢力にとっては面白い出来事ではなかったようで、タイ国王であるラーマ9世が王族同士の繋がりのあるイギリス皇族に働きかけて結局タクシンはオーナーを退く事になったそうだ。 このタイの王族というのも彼によると悪の元凶らしい。 コレを聞いた時に権造はビックリした。今までのタイ人に対するイメージと言えば王族を敬う人が殆どで隣のタイレストランにも王の肖像画が飾ってある。 彼も若い頃は王族を敬っていたしタイに居たころは家にも必ず肖像画が飾ってあって毎日お供え物をしたりしていたらしい。 が、インターネットの普及などで今まで知りうることの無かった色んな情報を見て愕然としたそうだ。 日本の天皇というのは一体幾つ位自分の会社を持っているのかと聞いてくるので、日本の天皇は戦後『象徴』という立場になり経済活動も政治活動も一切行っていない、と今の天皇や皇族の立場を説明すると目をまん丸にしていた。 タイの国王は国の色んな大手企業を全部自分のものにしているそうだ。タイ国内の米を取引する会社、清掃会社などなど、盛んに経済活動を行っていて得る利益は想像出来ないんだそうだ。米なんかは『国王の会社』という事で元々貧しい農民から破格の値段で買取りをして10倍20倍もの値段で一般の業者に売る。農民ももっと高い値段で売りたいところだが、国王が相手では選択する余地も無い。 政治の世界の奥にも立ち入って反政府勢力を払拭するべく影で尽力したり、クーデターやデモが起きても自分の立場に有利になるように時には国民に呼びかけて時には沈黙を保って見過ごす。 そんな話を聞いていると、今まで持っていたイメージがぶっ飛んでいく思いがした。 前に他のタイ人のお客さんから聞いた話の流れでラーマ9世についてはWikiで読んだ事があった。記事の内容って確か凄く人徳溢れる人であるような記述だった。実際に現地で生まれ育った人達から聞いてみないとわかんないもんだとつくづく思った。 同じタイ人でも国王や現政府を心からサポートしている人もいれば、国の現状を嘆いて将来を憂う人もいるのでどちらが真実なのかは分からない。なので話半分に聞いておくにしてもタイの政治の未熟さや王室の暗い部分を知ることが出来たのは良かったと思う。 2. オイル流出事故のお話 今日朝一でやってきたお客さんは某石油会社の危機管理を担当する人である。 4月20日のメキシコ湾での爆発事故のニュースを知ったとき、権造は真っ先にこの人の顔が浮かんだ。世界のアチコチに出かけて現地スタッフの教育をしたり、今回のように事故があればすぐに駆けつけたりしている。 なので今日予約が入っているのは知っていたがもし現れなければこの人の会社が関係する事故なんだろうと思っていた。 無事に現れてホッとした権造はすぐに事故について聞いてみた。 今回の事故の現場であるメキシコ湾では50以上ものプラットフォームが掘削をしているという事は以前から聞いていた。こういうプラットフォームというのは移動式で掘っても出なければ別の場所に移動するんだそうだ。 今回の事故はまだ理由は発表されてないようだが、すでに所有者のトランスオーシャン社は現地で直接作業に当たっていた会社の責任であるとコメントを出していて、責任が誰にあるのかという部分もこれから注目を浴びる事になるだろうと言っていた。 こういうプラットフォームの場合、一日に何度も何度も緊急時の自動制御がちゃんと機能しているかどうかのチェックが複数の人間によって行われるのが義務付けられており、今回のようにコントロール不能な状態で爆発・流出に至ってしまうような事態は少ないそうだ。 小規模な爆発・火災などは結構しょっちゅうあるものらしく、それはある意味掘削には付いてまわる程度のもので大事に至るまでに処理できる『想定内での事故』らしい。が、今回のような大事故は全くの想定外レベルで環境に及ぼす影響なんかを考えてみると気が遠くなるそうだ。 このような流出事故の場合、オイルは燃やしちゃうのが一番なんだそうだが今回は流出した量が多すぎるそうで燃やすというアイデアは比較的早い時点でボツとなったそうだ。 飛行機で石油が固まる化学物質を撒くという方法もある。固まった石油は海底に沈む事になるのだが、コレは微生物が分解してくれるそうだ。が、コレも広範囲すぎるのと今回の石油がサラサラの液体すぎて効率的な解決法にはならないらしい。どんな解決法も殆どが海上を浮遊している状態で有効なんだそうで、今回のようにもう海岸線におそらく到着しているような浅瀬まで来てしまうと難しいんだそうだ。 ボチボチと石油まみれの動物の保護のニュースが出てきたりしているが、今現在緊急事態を発令した州は3つ。そして到着すると予測されている海岸線の長さは600マイル(960キロ)だそうだ。とんでもない被害である。 このお客さんは実際以前に海岸線に漂着した石油の撤去作業に参加した事があるのだが、100メートルを掃除するのに1000人くらいのボランティアで3交代制にしてぶっ通しで丸々3日間かかったそうだ。石油まみれの海鳥も洗った事があると言っていたが、効率的に助ける方法というものは無く、洗剤で一羽一羽丁寧に洗い流していくしかないそうだ。 海に住む魚を始めとしたあらゆる生き物に与える影響というのは計り知れないものになるだろうと言っていた。プラットフォーム自体は移動式なので撤去自体にかかる労力はどうってことないらしいのだが、一旦ダメージを受けた自然の方は回復するのに時間がかかるんだろう。 起きてしまった事って変えることが出来ないししょうがないんだが。。。 2度とこんな事故が起こらないようにちゃんと原因を究明して対処して欲しいと思う。 このお客さん、7月に転勤になった。 この人の息子は以前日記にも書いたことがあるADHDを持つ子供である。あの子が3歳の時に初めてカットをして今はもうすぐ10歳。お父さんの方は最初の1年は単身赴任していたからなんだかんだで8年近くの付き合いである。 親子共々3週間おきにやってくるのでお客さんの中でも一番会う回数が多い人達で、チビの誕生会にもお互い招待していたり、家族のような存在だった。 しょっちゅうすでに出張で行っているテキサスになるかカリフォルニアになるかまだ分からないらしいのだが、本当にとても寂しくなる。3週間おきに顔を見るのがとても楽しみだっただけに、、、。7月に引越しというのは決めているらしいのだが、権造が日本から戻ってきて仕事始めるまで引越しは待つと言ってくれた。最後のカットの時にはきっと泣いちゃうかもしれない。 もう一個あったんだが、長くなるのでこの辺で。 美容師というのは性別・年齢・職業に関係なく色んな人と触れ合える部分でも面白い仕事だと思う。 そういえば。 Twitterでベネズエラのチャベス大統領がつぶやきだしたと聞いたので早速探してフォローする事にした。反米バリバリな人なのでアメリカの悪口とかつぶやくんだろうか、と興味津々だったのだが、当たり前だが画面に出たつぶやきはスペイン語。。。 こりゃ~わかんねぇな、と思いつつ、ジョージにでも通訳してもらえばいいや、とそのままフォローしている。大した人数フォローしてないし、お友達が多いんだが、コレはコレで面白い。 最近携帯握り締めてる回数が増えたかも。そんな権造のためにクリックよろしくお願いします! ↓↓↓ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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