メルヴィン・ブラッグ「英語の冒険」” 改革派・保守派・気取り屋 "
昔の英国人にも発音通りに綴ろうとする改革派と伝統を守ろうとする保守派がいた。これはいつの時代もそうだろう。後、フランスの高級感を気取って綴ろうとする一派もいた。debt や doubt の「b」や、victuals の「c」がそれだ。全く余計なことをしてくれたものだ。どこか、現在の政府関係者がやたらカタカナを使いたがるのに似ている。そして、気まぐれ屋もいたらしい。throne や theatre の「h」はこれらがギリシャ語起源だと考えられたのでそれらしくする為に入れられた。これも、高級感を出す為の「気取り」と言えるかもしれない。rhyme の「h」は 単に rhythm に「h」が入っていたからだ。can の過去 could の「l」は shall や will の過去 should と would と揃える為だった。これらの変則的な文法は16世紀の教育を受けてない者や子供、あるいは、外国人を苦しめた。いやいや。現在の私もだ。