ピーター・マクミラン「星の林に」
おほけなく憂き世の民におほふかな我が立つ杣にすみぞめの袖(百人一首 95番 慈円)Though I am not good enoughfor the good of the people,here in these wooded hills,I'll embrace them in the black robesof the Buddha's Way.ピーター・マクミランによるとこれは、関白の息子だった男が慈円として最澄の後を継ぎ、比叡山に僧侶として仕える宣言であるようだ。まず「おほけなく」が分らない。「おほふ」も。そして「杣」も。英語で分からなかったのは「embrace」だけだった。現代日本人の多くがそうだろうが古文より英文の方が親しくなった。