木を植えた男
フレデリック・バックの作品集を観た。ネットのレヴューにもあった通り、「木を植えた男」が出色だった。「傑作」と言っても良いかもしれない。全体に「エコロジー色」が強かった。ジブリ関連であるのも大いに頷ける。ただ、男の「木を植える」行為には「崇高さ」すら感じたがそれが、廻り廻って、「ユートピア」が出現したのには反発を感じた。確かに、人間は生活が苦しいと、より醜い面が出るということはある気がするが、生活が豊かになっても醜い面があるのは現代人を見れば、明らかだ。人間は、たった二人でもいがみ合う。「強欲」で「意地悪」で「不遜」な人間はどこにでもいる。この世に「ユートピア」が出現するまでに人類は滅びるだろう。自分が生きている間、極々、僅かな時間と空間に自分の「ユートピア」を築くしかないのだ。