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MLB オールスター

スターが一堂に会する年に1試合だけの真夏の祭典

第79回大会は今季限りで新球場に移転することが決まっているヤンキー・スタジアムで行われる。
“Midsummer Classic(真夏の祭典)”。毎年7月に行われるメジャーリーグのオールスターゲームは、このように呼ばれている。世界最高峰のリーグでプレーヤーの中から限られたスターが年に1度だけ一堂に会し、ア・リーグとナ・リーグ同士で激突する夢舞台だ。ワールドシリーズとともに、メジャーリーグの年間行事の中で最大級のイベントと言えるだろう。歴史も古く今回で79回目。今年はヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムで通算4度目の開催となり、しかもヤンキー・スタジアムは今季限りとなっているため、例年以上に盛大なそして球史に残る大会になるだろう。

はじまりは一通の手紙から

記念すべき1933年の第1回大会で、ベーブ・ルース(右)はホームランを記録した。(写真提供:AP Images)
 オールスターの始まりは、少年ファンから寄せられた一通の手紙がきっかけだった。1933年、シカゴ万国博覧会のイベントを企画していたシカゴ・トリビューン紙のアーチ・ウォード運動部長は、「ベーブ・ルース(ヤンキース)とカール・ハッベル(ジャイアンツ)の対決が見たい」という手紙に目を通す。当時ア・リーグでプレーする強打者ルースと、ナ・リーグ所属の好投手ハッベルが対戦する機会はワールドシリーズのみ。これをヒントにし、ア・リーグとナ・リーグのスター同士を集めて試合を行うプランが実行に移され、大成功を収めた。以後、第二次世界大戦のため中止となった45年を除き、毎年開催されるイベントとして定着することとなる。

選出方法はファン投票と監督推薦など


昨年MVPに選出されたイチロー。オンラインの投票によりMVP選出にファンの意向も反映されるようになった。(写真提供:AP Images)
 現在、オールスターではア・リーグとナ・リーグともに32選手までが試合に出場できることになっている。選出方法は大きく分けて2つあり、1つはファン投票で、もう1つは監督推薦。また、近年では選手間投票も行われている。ファン投票は各球場などで配られる投票用紙を記入して投函する、あるいはインターネット上で選ぶことが可能で、ここ数年はイチロー外野手(マリナーズ)ら米国外出身の選手たちがメジャーで多数活躍していることもあり、日本語やスペイン語での投票も行われている。

 また、ファン投票による選手の選出方法で日本のプロ野球と異なる点は、9つのポジションのうち投票の対象が野手に限られ、投手は含まれていないこと。また、指名打者については主催する球団がア・リーグに所属している場合のみ選出枠が設けられる。

 各ポジションのファン投票1位の選手、監督推薦などの選手は球宴の約10日ほど前に発表される。ただし、各リーグの出場枠で最後の1人となる「32番目の男」だけは別。これはあらかじめノミネートされた選手をインターネット投票で決めるもので、投手が候補者に挙がることもある。なお2004年には松井秀喜外野手(ヤンキース)がこの投票で球宴のメンバーに選ばれている。

大会前にもイベント盛りだくさん


球宴は年に1度のお祭り模様。試合以外でもさまざまなイベントが開かれ、オールスター期間中はお祭りムードとなる。(写真提供:AP Images)
 年に1度のお祭りなので、さまざまなイベントが行われる。その中でも忘れられないのは前夜祭として開催されるホームランダービーだ。メジャーの強打者たちが、大舞台で自慢のパワーを発揮する。過去には国別対抗戦として行われたこともあり、2005年にはボビー・アブレイユ外野手(フィリーズ)が大会記録を樹立で優勝している。また、将来の有望株が集まるフューチャーゲームもマイナーのオールスターゲームとして開催され、過去には大家友和投手(ホワイトソックス傘下3A)も参加したことがある。

 今のメジャーではニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコ以外の1年に1チームしかチームが存在しない。年1回の開催のため、各チームが開催するには20数年に1度しか順番が回ってこないことになる。開催が決まった場合、都市と一丸となって、ファンフェスタといったアトラクションなどファン向けのイベントがさまざま行われる。

 今回は大都市であるニューヨーク、名球場として知られるヤンキー・スタジアムでオールスターが開かれることもあり、これまでにない球宴のイベントが開催される予定だ。オールスターの式典には殿堂入り選手が40人以上も一堂に会し、ニューヨーク市内のパレードには通算755本塁打のハンク・アーロン氏のほか、かつての往年の選手たちがオールスターに出場する選手たちともに参加することになっている。



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