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テーマ:徒然なるままに(1486)
カテゴリ:医療
そしてここからいよいよS先生の専門の分野のお話でしたよ❗
S先生【では目が2つあるのにひとつに見えるのはなぜでしょう?】 ここで両眼視機能(同時視、融像、立体視)について話されましたね。 S先生【2つの目でひとつの見たいものをみて視神経から脳に伝わり あたまが理解してひとつに見ているのです。 2つの目からの情報の差異からより深く情報(奥行きや立体感)を 読みとることができるのです。】 次に外眼筋に麻痺が生じた大人の斜視の2症例の動画を 見ながら話されましたよ。 水平斜視なのと上斜視でしたっけ? S先生【斜視は両方の目に関係性があると云われています。 症例のひとつは、片眼が上に動かない状態ですね。 上を向いたとき月が2つに見えてしまいます。(=複視) 原因としては生まれつき、ケガ、事故、脳腫瘍、脳出血、糖尿病 甲状腺眼症、原因不明等が考えられます。 糖尿病により網膜にある毛細血管が傷付けられ 酸素を十分に運ぶことができなくなります。 そしてそれを補うために新生血管ができるのですが 脆くて未熟なため硝子体内に出血を起こすのです。 甲状腺眼症はバセドウ病として知られています。 ただ生まれつきのような先天性の場合、複視は自覚しません。 脳が片眼の情報をシャットアウトすることに慣れてしまい 2つに見えないのです。(=抑制)】 次に乳幼児の目の発達について話されましたよ。 S先生【生後1ヶ月の視力は0.01~0.05くらいになります。 目の前がぼんやり見える程度なので視線もまだ合いません。 生後6ヶ月~1歳になると視力は0.1くらいになり この頃視線がそろいます。 1歳~2歳になると視力は0.3~0.5くらいになり この頃、上手にピント合わせができるようになります。 2歳~4歳がものを見る感受性が最も高い時期であり 3歳~5歳になると視力は1.0くらいになり 両眼視がうまくなります。 また3歳6ヶ月で上手く視力検査ができるようになることから 自治体によっては3歳6ヶ月に健診に設定しているところもあるようです。 このように乳幼児の目は視力、視機能ともに急速に発達するので その機会を逃すと大変なことになります。】 ここで大人と子供の白内障について話されましたよ。 S先生【白内障と云えば、大人の病気と思われがちですが 小児にもあり先天性白内障とか発達白内障と呼ばれています。 大人のように手術だけでは見えるようにはなりません。 術後には弱視訓練が始まります。 白内障は見つかるまで症状がないため 早期発見、早期治療が望まれます。 そうでないと視力、視機能の発達の妨げとなり 乳児性斜視、立体視不良、弱視等になってしまいます。】 ここでS先生、健診の重要性について話されていましたね。 S先生【赤ちゃんに視力検査なんてできるの? って思われてるかもしれませんが 実は3ヶ月の赤ちゃんでも見えてるかどうかわかる検査があるのです。】 まずは子供の視力検査グッズについて話されましたよ。 S先生【小さなお子さんはランドルト環の 空いてる向きを上手く答えられないので ランドルト環のハンドルを持ってもらい 空いてる向きに合わせてもらいます。 もう少し小さなお子さんには森実カードといって うさぎさんの絵が書かれたカードで答えてもらいます。】 ここで赤ちゃんに縞模様を見せている画像が表示され S先生【赤ちゃんが縞模様を見ていますね。 視力があれば縞模様を見せると赤ちゃんの本能で見るのです。 ここで検査グッズがなくても見えてるかどうか 判断できる方法を紹介しますね。 子供が何かに夢中になっている時に片目ずつ手のひらで隠してみて 子供が嫌がって怒ったり、払い除けようとしたら 見えていることになります。】 S先生【ものを見るということは、脳の問題でもあり 子供の目と大人の目は全然違います。】 次にこの間の日本弱視斜視学会で話題になった デジタルデバイス(DD)と後天共同性内斜視について話されましたよ。 S先生【まだ一概にスマートフォンの影響とは今の時点で云えないのですが スマートフォンの普及の時期と使っている年齢層が一致していることから 何らかの影響があるのではないかと研究しています。】 いくつかのデータを見ながら S先生【高校生は学校以外でほぼ4時間使用しており 長期のお休みになると使用時間はぐーんと増えます。 携帯の所持率は中学生で66%、小学生でさえも55%の子供が もっていることになります。】 S先生【スマホを見るとき画面が小さいので 距離をとても近づけて見ることから寄り目を続けることになるので とても疲れます。 後天共同性内斜視は様々な原因で起こるので スマホそのものが原因で起きるのか まだ、はっきりわかっていません。 例えば、読書中の目の状態は目で文字を追っていますが スマホを見ている時はスマホが動いて目が動かないのです。 背景にこういったスマホやゲームの影響がないか これから調査していく段階です。】 ここでS先生がどなたでもできる 斜視になってるかどうか確認する方法を話されましたね。 S先生【テレビ出演されていた患者さんは友人に 目の指摘をされてましたが どなたでも確認できる方法があります。 それはフラッシュをたいて写真を撮る方法で フラッシュが黒目の真ん中にあれば眼位は正常です。】 S先生【文部省によると2020年までに電子タブレットを 1人1台普及させる予定ではありますが 近視が問題になっています。 東アジアでは、この50年で近視が急増しています。 近視になりやすい要因は、30年前と変わっていません。 30年前の要因は アジア人、両親のうち1人以上近視 30cm未満の距離で読書、30分以上持続して読書 DDが普及している現代においても同様に アジア人、両親のうち1人以上近視 30cm未満の距離でスマートフォン、30分以上持続してスマートフォン が要因となっています。 因みに欧米では遠視の方が多いです。】 S先生【近視の予防として戸外活動を1日に1時間多くすると オッズ比で13%近視を減少できると云われています。 像がボヤけたままの状態で見ていると近視が進むので メガネをかけるようにしましょう。 さもないと近視が進み将来的に強度近視、緑内障、網膜剥離 黄斑変性になりやすくなってしまいます。】 それからBR(バーチャルリアリティ)という立体画像による影響についても 話されましたね。BRは視差による立体視を用いていて 脳が混乱するんだそうです・・・ 近頃、急速に科学技術が進歩しているけれど まだ因果関係は立証されてないけれど 皮肉にも身体に異変が生じるなんてね・・・ って思っちゃいましたよ! 最後にS先生は眼科健診の重要性について強調されてましたね。 S先生【就学するまでに目の異常を見つける機会として 眼科健診が3回あります。 それらは乳幼児健診、3歳児健診そして就学前健診なのですが 3歳6ヶ月頃に視力検査が可能になるので 3歳児健診を3歳6ヶ月で行っている自治体もあります。 ところが、健診で異常と判断されても(早期発見) 眼科に来院されなくて早期治療のチャンスを 逃しているケースがあるのが現状です。】 このあと質疑応答の時間がありましたよ。 ①メガネのブルーライトカット加工って? →学術的にはよいのかどうかわからないそう… ②スポットビジョンクリーナーって? →健診で視力検査と合わせてすると効果がある。 スポットビジョンクリーナーは屈折異常や斜視を見つける スクリーニングとしてお使い下さい。 視力不良となる(網膜剥離等)病変には向いていない。 ③DDを見続けていると? →まばたきをしていないのでドライアイの症状が出てくる。 ④どうして東アジアに近視が多いのか? →人種的に教育熱心で外遊びが少ない(韓国、中国、香港等) ただ田舎は近視が少ない こんなお話を今回、S先生がして下さいました。 解読不能な自分が書いた記録メモと先月の記憶を辿りながら 何とかレポってみましたよ。 聞き違い等があったら🙏💦💦 講演拝聴直後は情報でいっぱいいっぱいで ついていくのに精一杯だったけれど レポっていくうちに やっぱりS先生のトークはわかりやすいなぁって 思いましたよ。 あと聞き手側と対話しながら深イイお話をすすめていかれるところなんて 流石のプレゼン力だと思いましたよ✨ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.07.13 07:01:53
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