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2014年10月14日
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クライスラーを合併したフィアットの企業連合、フィアット・クライ
スラー・オートモービルズ(FCA)が10月13日米ニューヨークの
NYSEへ株式を上場しました。

イタリアでイタリアと呼ばれながらも、欧州ではドイツの強豪メーカの
前に弱小自動車メーカだったフィアットが、リーマン・ショック時の
クライスラー救済から規模の経済を得て、いよいよグローバル自動車
メーカとして名乗りを上げた形です。

過去数十年に亘る、フィアットの経営危機を知っている人々からすれ
ば、絶世の感があり感慨深く、他方でいろいろと複雑な感情も生まれ
る出来事となりました。

まずは、上場した企業連合の本社は親会社の本拠地イタリア・トリノ
ではなく、子会社の本拠地デトロイトでもなく、オランダであること。

株式を上場したのも、イタリアはなく、新本拠地のオランダでもなく、
米ニューヨークであること。

これらの2点からしても、グローバル企業として全世界を市場に資本
の論理を最大限に活かして、今後企業活動を行っていくことが透けて
見えます。

もっと複雑なのは、この企業連合下に並ぶ自動車ブランドでしょう。

フィアット下には、フィアット、アウトビアンキ、アルファロメオ、
フェラーリ、マセラティ、ランチアが並び、クライスラー下には、
クライスラー、ジープ、ダッジ、モーパーのブランドが並びます。

いくら世界で販売するとしても、自動車に乗るのは人間一種類だけ
ですから、各市場での認知拡大と販売拡大との掛け算で相乗効果の
見込めるものには積極投資、見込めないものは統合や消滅が予想さ
れるというものです。

前者として考えられるのは、フィアット、アルファロメオ、フェラー
リ、マセラティ、クライスラー、ジープ、ダッジであり、後者とし
て考えられるのは、アウトビアンキ、ランチア、モーパーです。

一方、自動車を製造するメーカとして考えた場合、VWやトヨタと
いったグローバル・ビッグ・プレーヤーは既にフロアとエンジンと
周辺部品の統合化が進んでおり、ひとつのフロアから8~10車種
作り出すことも当たり前になりました。

この点FCAに関しては、2~3周ほど開発競争から遅れを取って
おり、欧州と米大陸とでは補完車種の相互供給程度しか行われて
いません。

今回の上場は、ここでの資金調達を元に、相互開発・生産を一段と
進め、モジュラー型の自動車製造競争に参画することになるでしょ
う。

この開発生産の合理化とブランドの合理化を進めていったときに、
どのような姿になるのか?というところが最大の焦点になりますが、
例えばVWグループを手本とするならば、フェラーリを頂点にフィ
アットとクライスラーまで並べるラインナップが予想できます。

他方、既存ブランドの販売力を最大限に活かそうとするならば、
フェラーリはポルシェのように1万台売り、フィアットとクライス
ラーは合わせて数百万台売り、マセラティとダッジで数十万台売り、
スポーティ・カーとして中途半端なアルファロメオは売却?という
ことも予想の範囲内となるでしょう。

もしフェラーリが1万台売れれば、その販売価格から莫大な利益を
もたらしますが、アウトビアンキ、ランチア、モーパーが1万台
売れても利益はありません。これらはどこかに消滅してしまうかも
しれません。

要するに何が言いたいかといえば、金融危機後にフィアットがクラ
イスラーを救済したのも事件ならば、今回の株式上場も同じくらい
インパクトのある事件だということです。

先週までのフィアットと今週からのフィアットは、見た目も中身も
似ていますが、今後進む先ははっきりと違うということが分かり
ます。

もっとはっきり言えることは、我々がこれまで知っていた会社では
なくなるということでしょう。









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Last updated  2014年10月16日 11時27分35秒
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