2005年2本目。
映画「ターミナル」(スピルバーグ監督)を見てきました。
舞台はアメリカN.Y.、JFK空港。
法の挟間に落ちて、帰る祖国を失った男・ビクターの
恋あり、笑いあり涙ありの「空港生活」。
空港好きのhakapyonには胸躍る舞台設定です。
(数年前に行ったデトロイト空港を思い出して懐かしかった!^^)
実は、スピルバーグ作品ってあまり好きじゃないんですよね。
エンターテイメントの職人技には感心するのですが、何故かあまり惹かれない。
勧善懲悪傾向があって、意地悪な奴とかやな奴が出てくるのが気になる。
悪者といい者(たいてい主人公はこちら側)がはっきりしているのもつまらない。登場人物のカンが鈍くて、すれ違いが多いのももどかしい。
でも前作の「キャッチミー・イフユーキャン」は好きなんでんすよ。レオとトムの関係性が面白かったし、役者としてもそれぞれも持ち味を生かして魅力的だった。hakapyonはこれで「スピルバーグいいかも!」って見直したんです。だから今回も結構期待していたんですけどね・・・期待しすぎたかな。
ビクターがはるばるN.Y.まで来た理由が弱かった。
hakapyonが日本人であまりジャズを知らないから、というのもあるかもしれないけど。アメリカ人にとっての「ジャス」の重みは、最近やっと聴きはじめたばかりのhakapyonにはまだ理解できない。
「コラテラル」でもジャズが物語のキイになっていました。
今のアメリカにおいて「ジャズ」は何かを象徴しているのでしょうか?例えば、アメリカの古きよき時代・・・とか。
物語としてはすごく綺麗にまとまっています(さすがエンタの職人、スピルバーグ!)冒頭でも言ったとおり、涙、笑い、恋愛のすべてが詰まった、文部省推薦?の清く正しい映画です。
掃除のじいさんがモップを持って飛行機に向かって一人突進していった場面は胸が熱くなりました。あと、ビクターがみなの見送りを受け、ようやくドアを開けてJFK空港を出て「アメリカ」に入国し、吹雪に吹かれていた場面。ここで泣きそうになりました。
俳優さんもみな素敵でした。
トムは地味ながらにやっぱり上手いし、チャーミング。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズも綺麗で知的です。
今年は彼女に大注目ですね。(オーシャンズ12も楽しみです)
モップじいさんの「空港レストラン」でのジャグラーっぷりも良かったわ^^
限られた場所、限られた道具で知恵を絞ってたくましく生活し「待ちつづけた」ビクターは、JFK空港のロビンソン・クルーソーのようでした。人事を尽くして天命を待つ。ただひたすら待つ。信じて待つ。
映画のタイトルが「エアポート」(空港)ではなく「ターミナル」(終着駅)なのがポイントなのかな。
「空港」という閉ざされた舞台でのお伽噺の教訓は、たぶん
「人生とは待ちつづけること」。
そしてそこから歩み出すこと。
P.S.
ジャズのナンバーに「KILLER JOE」というのがあるんですね。もしや宍戸錠さんや大杉漣さんの「殺し屋ジョー」はココから来ているのかしら?
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