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カテゴリ:暮らしのあれこれ
元来、肩こりと頭痛持ちだった。
それはもう、小さい頃からのことで、子供なのにしょっちゅう肩をこらせて母にほぐしてもらったりしていた。 大人になってからもかなりの頻度で頭痛を起こし、仕事をしていた頃はよく鎮痛剤のお世話になっていた。 しかし追突事故にあったあと、ムチ打ちの後遺症を治すために通い始めた整体と、ジムでの運動が功を奏し、長年苦しんだ肩こりからも頭痛からも、この1年ほどは完全に開放されていた。 頭が痛くならないというのはこんなにも楽なものなのかと、びっくりしながらも嬉しい日々を送っていたのだった。 だが。 少し前に日記にかいたのだが、ひょんなことから下の前歯かほんのちょっぴり欠けてしまい、歯医者に行くことになった。 はじめに記入する問診表の「この機会に悪いところは全部治したいと思っているか」という質問に少々考え込んだ私だが、「特定の場所だけを治したい」というところに○をつけると、なんだかあちこち悪いところがあるのに、歯医者さんの治療が怖くてびびっているように思われる気がして、(いや、実際は充分怖がっているのだが)つい、「全部治したい」というところに○をつけてしまったのだった。 そして、下前歯の欠けたところはちょちょいと治り、その後「次回からは歯周病のチェックなどを詳しく行います」といわれたときには「あーしまった。見栄なんて張らずに『特定の場所だけ治したい』に○をすればこれで終わりだったのに…」と悔やんだが、それは本当に悲劇のはじまりだった。 若い女性の歯科衛生士さんが、丁寧にチェックしてくださったところ、下の歯は問題がないけれど、上は歯周病になりやすい歯茎だそうで、とにかく一週間、毎日3回、歯茎と歯の間の、いわゆる歯周ポケットと言われる場所を徹底的に磨いてくるように、と言われた。 正直少し驚いた。 虫歯も全部治療済みだし、歯茎も不具合や不快感など感じたこともないし、見た目も健康な歯茎だったのだから。 歯周ポケットの中を磨くというのは普段少し気にはかけていたのだが、私がやっていたのは生ぬるかったらしく、歯科衛生士さんの指導では、かなり力を入れてチキチキチキチキと磨かなければいけないらしい。 それはやってみるとかなり痛くて、しかも奥歯の裏側のポケットを磨くのはコツがつかめないととても難しい。 つい歯茎のほかの部分まで傷つけてしまい、私の口の中はすぐに傷だらけになった。 それでも一週間はなんとか頑張ってみた。 そして次の予約の日。 再度チェックを終えて、担当の衛生士さんはちょっと怒ったように「もう一度指導しますから、ちゃんと磨き方を覚えて今度は一ヶ月やってきてください!」と冷たくおっしゃった。 えええっ?!あと一ヶ月も?…ちょっと絶望的なほど私はショックを受けた。 再度行われた歯磨き指導では、前回よりも強い力で磨くような感じの指導をされた。 その通りに磨き始めて数日たつが、もう口の中はあちこち痛いところだらけである。 その上、一番恐れていたことが起きた。 頭痛と肩こりが再発したのだ。 口の中が痛いので、たぶんヘンな噛みかたで食事をしているのだと思う。食事のたびにアゴがだるくなってしまう。 そして、歯磨きに神経質になりすぎているので、肩こりを悪化させている。 そういう様々なストレスがあいまって、頭痛が起きてしまうのだ。 歯の治療を受けることに関しては大先輩の妹には 「他の歯医者さんに変わったほうがいいんちゃう?歯茎のために毎日生きてるんちゃうねんから、そんなに歯磨きで辛い思いするのおかしいと思うわ。」 と説教された。 確かに、このままでは歯茎の健康のために他のところが病気になってしまうことも充分あり得る。 しかし、この歯磨きを「できません」と言ってしまうのは、どうも「めんどうだから逃げた」と思われるような気がして悔しいのだ。 …歯茎のために生きるのか、それとも歯科衛生士にプライドを見せるために生きるのか。 今の私は、こんなにつまらないことのために生きている、いや、生かされているのだ。 なんだか情けないなぁ、ばかばかしいなぁ、と思っていたらますます肩がこって頭が痛くなってきた。 あと数週間、痛くてギブアップしてしまうのが先か、それとも歯茎のほうが鍛えられて強くなるのが先か、それが問題である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年10月23日 23時20分56秒
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