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テーマ:ニュース(100162)
カテゴリ:世の中のあれこれ
バタバタの毎日に隙間を見つけて学校の先生のことをぼやいているうちに、日本の総理はビョーキになっちゃって、フラフラで敵前逃亡を決め込んでいた。
その著書を読んでも、そしてぱっと見たイメージでも『ええ氏のぼっちゃん』の首相には、派手なパフォーマンスで国民の心を鷲づかみにした型破り首相の尻拭いは、さすがに荷が重すぎたのだな、と思う。 しかし、あまりにも政策以外の不祥事が多すぎて、結局この人がやろうとしたことが国民のために良かったのかどうか、正直なところ私にはよく分からなかった。 (ただ、首相にとって大事な要素は「心臓に毛が生えていること」と「打たれ強いこと」なのだということははっきりと分かった。あと、「にっこり笑ってものごとを堂々と煙にまける」というのもけっこう大事かもしれない。) だが、昨今の政治は「国民の生活のために良い考えかどうか」ということはあまり重要ではなく、見ていて面白いということが最重要項目なのだなぁと、型破り首相がやりっぱなしていった数々の改革の結果を見ていると、そう感じずにはいられない。 首相の辞任について、マスコミは「びっくりした」「驚いた」と大騒ぎだが、国民は実際のところ、そんなに長く続くわけないよと思っていた気がする。 前首相のパフォーマンスに目が慣れてしまった国民には、安倍首相はあまり見ていて面白いものではなかったからだ。 面白くない番組はすぐにチャンネルを変えたくなるように、国民も「はやくもっと別の面白いものが見たい」と思っていたのではないか。 そう考えると、小泉チルドレンと呼ばれる大部屋の人たちは、考えが浅はか過ぎると言わざるを得ない。 国民は再放送を見たいわけではないのだ。 だが、かれらは過去にぱああぁぁぁっと派手にちやほやされた感覚を忘れられずに、また誰かに持ち上げてもらいたくて仕方ない。 自分達の政治的手腕に特別な魅力があって国会に送り込まれたわけではないと言うことを、今ひとつ分かっていないのかもしれない。 今となっては「古臭い」感が漂ってしまっているのに。 だが、麻生さんの動向は本当に面白い。 ちょっと穿った、そして極端な考えで今回の辞任劇を見てみると、麻生氏の「静かなるクーデター」のようにも見える。 そしてこのクーデターは、ある意味完全犯罪の様相を呈して成功に終わろうとしていたのだが、ここからがこの人の面白いところで「次は俺だ」という気持ちがすっかり顔に出てしまって、周りの「次は麻生氏だろうなぁ」と思っていた人々の気持ちに「ちょっと待てよ…」とブレーキをかけてしまったのだ。 そういえば、今回の一連の報道でどうしても腑に落ちないことがある。 何度もワイドショーで流された「先月撮影された首相夫人のインタビュー」である。 インタビューの中で夫人は、安倍首相の近況を聞かれ、「食欲もなくて…」とか「話をしていても上の空で…」とか「かなりしんどそうで…」というようなことを繰り返し答えている。 辞任を決めた首相が、かなりの重責に、日常生活でも普通の状態ではなかったということを切々と述べているのだ。 …だが、問題はこれが1ヶ月も前に収録されたものであることだ。 一体、夫人はなんのためにこんなインタビューを収録したのだろうか。 やめるつもりのない首相のことを、こんなふうに「弱っている」とアピールしたら、それはもう大変なことになるだろう。 ただでも揚げ足を取ろうという人々がワンサカ群がる立場なのに、「夫は心身ともに疲れています」なんてことを言うファーストレディー、見たことがない。 ひょっとしたら、一ヶ月前にはすでに「もう限界だ」という話になっていたのではないか。 いや、これが麻生氏を推す誰かの策略で、うっかりのせられて作られた映像だとすると、これはもう小説になるくらいの展開だ。 そうでないとしたら、安倍氏は「えらい夫人をもらってしまった」と、政治家として後悔すべきかもしれない。 で、そうこうしている間に、総裁選挙出馬に一番に名乗りを上げたのが額賀さんというのだから面白い。 たしかに派閥のトップということを考えると、党内では有力な位置にいたのかもしれないが、国民から見て、今この人に首相になってもらいたいと言う人はほとんどいないのではないだろうか。 なにしろ、国民にとって重要なのは「面白さ」なのだから。 あまり面白くない特番のようなドタバタ劇を見ながら、国民が「う~ん、なんだかなぁ…」という気持ちになりかけていたとき、「反麻生」の動きが伝えられる。 「へぇぇ、麻生さんのほかにも、できそうな人いるのかな?」と少し興味を持ったところに登場したのは、安倍さんとの戦いを真っ先に降りて、安倍政権に関わらなかった福田氏だから、これは俄然面白くなってきた。 安倍政権に関わらなかったということは、「おカネに汚い政治家達と役人達」の幕には登場していないわけで、なんとなく「まみれているイメージ」がない。 そして、『麻垣康三』の争いから降りる時に、非常に率直に「もう歳だし、(ちょっと悲しいシニカルな笑顔で)僕の支持率は下がってる。」と発言して、なんだか正直な飾らないイメージもできている。 私はあの時、出馬を断念したことで、この人の好感度はかなり上がったのではと思っていたのだ。 「もう歳だから」ということが、今回の「やっぱり若いのではダメなんだな」という気持ちの後で非常に安心感を与えている。 いわゆる「振り子現象」というやつだ。 あの時、この事態を読んでいて、狙って降りたのだとしたら…それもまぁ、頼もしいのかもしれない。 ちょっと怖いけど。 さあ、面白くなってきた。 いい歳をして調子に乗りすぎた感のある麻生氏と、ソフトだが、あのシニカルな笑みには必ずなにか潜ませているだろう福田氏。 自民党の進む道はどっちだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年09月14日 15時20分08秒
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