日経先物で中長期投資(その1)
指数先物といえば、投機的なハイリスク運用というイメージがある。私も、これまで、そう思っていた。 ところが、最近、”日経先物mini”が中長期投資にうってつけなのではないかと考えるようになった。 そこで、”日経先物mini”の利点を何回かに分けて書いていきたい。 遠回りになるが、初回は”日経平均株価”について。1.日経平均株価とは 日経先物の前に、そもそもの日経平均株価とは何か。 日経新聞社のWebページによると、以下のように紹介されている。 ”日経平均株価は日本を代表する株価指数として世界中で広くご利用いただいています。算出開始から60年以上を経過し、まさに戦後日本経済の歴史を刻んできました。高い指標性は、相場動向を測る指標としてだけでなく、多くの連動金融商品でも活用いただいています。日経平均は東京証券取引所第一部に上場する225銘柄を選定し、その株価を使って算出する株価平均型の指数です。” ポイントとしては、 〇東証1部から225銘柄を選定。 〇株価平均型の指数。 ということ。 ただし、後々触れることになるだろうけど、文中の”高い指標性”というのは、若干違ってきているように思う。少数の値嵩株の影響が大きく、もはや市場全体を代表する指標とは言えなくなって来ているのでは。 斜に構えると、日経平均株価への投資は、ある意味アクティブ運用ということ。2.算出方法 先ほどの日経新聞社のWebページによると、 ”(算出方法) 旧額面制度を継承した「みなし額面」を各構成銘柄に設定。日経平均株価は、このみなし額面で換算した構成銘柄株価の合計金額を、「除数」で割って算出します。除数は株価平均を算出する際に、市況変動によらない価格変動を調整し、連続性を維持するためもので、この方法による算出を一般には「ダウ式」と呼んでいます。” 算出式は、 各構成銘柄の採用株価 = 株価 × (50円/みなし額面) 日経平均株価 = 構成銘柄の採用株価合計 / 除数 ”額面”という制度は既に無くなってしまっているけど、1株あたりの当初の出資額というようなもの。額面制度のあったごろには、大半の株が50円額面。他に500円額面とか5万円額面のものもあった。 50円額面の株より、500円額面の株は10倍の株価で同等。1つ目の式は、各銘柄の株価を50円額面換算に統一するためのもの。 なお、額面制度が無くなった後も、日経平均株価算出に当たっては、概ね以前の額面を継承した”みなし額面”が用いられている。 2つ目の式は、構成銘柄の株価を平均するためのもの。225銘柄あるので、指数発足当初は、単純に株価の合計を225で割っていたのだけど、 銘柄入替えや、株式分割などの際の指数の継続性を確保するために、分母を225から徐々に変更して対応してきた。で、指数算出にあたっての分母を”除数”と称し、現在は25.473。 現在の日経平均株価算出の大きな特徴の1つとして、株式分割に際して、昔は除数の変更で対応していたのを、みなし額面の修正で対応するようになっている。 銘柄入れ替えがほとんど無いことと併せて、東証を代表する指標としての正当性をやや犠牲にしてでも、指標の連続性が最重視されているように見える。 以前の苦い経験を踏まえての対応と思うのだけど(関連の日記:インデックス投資家が大虐殺された日)、 そのことにより、”コバンザメ投資”のコバンザメに齧られることもほとんどなく、投資対象として安心感がある。3.構成銘柄 では、実際にどんな銘柄で構成されているのか、 銘柄名と、みなし額面は、日経新聞社のWebページに掲載してある。 あわせて、日経平均株価(1月9日は17,197.73円)を買ったとすると、各銘柄がその中に何株含まれているかを計算して、”組入株数”として整理した。 組入株数 =(50円/みなし額面)/ 除数 日経平均株価(1月9日は17,197.73円)の中には、コード順で、日本水産が約0.04株、マルハニチロが約0.004株、国際石油開発帝石が約0.016株・・・・(中略)・・、ソフトバンクが約0.12株含まれていることになる。 では、構成銘柄、みなし額面、組入株数の一覧をコード順で。 ※2015年1月9日現在 長くなったので、このあたりで一旦区切ります。※1月12日訂正(マルハニチロの組入株数)