偏屈たぬきのへそまがり投資日記

2014/06/07(土)06:18

リアルコムのライツ・オファリング結果

ライツ・オファリング(20)

  最近のライツ・オファリング銘柄の結果についても、メモ書き程度で整理しておくシリーズ。   本日は、リアルコム(3856)のライツ・オファリング結果について。 1.リアルコムのライツ・オファリング   株式交換によりソーラー発電事業に転換したリアルコム、実質存続性の喪失(いわゆる裏口上場)にあたるということで、2015年6月まで上場廃止猶予のうえで再審査予定。   そんな状況のリアルコムだが、今のうちの上場しているメリットを最大限受けておきたいとばかりに、ライツオファリングの実施を3月11日に発表。増資により、ソーラー発電事業拡大の資金を調達したいとのこと。   ライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)に関するお知らせ   同Q&A   リアルコムの新株予約権は、1個につき175円の払い込みで0.5株取得できる権利。   すなわち、新株予約権2個と350円で、新株を1株取得できる。   リアルコムのライツ・オファリングに関する主なスケジュールは以下のとおり。   3月11日:ライツ・オファリングの実施を公表   3月17日:新株予約権割当の権利最終日   3月18日:新株予約権割当の権利落ち日   3月24日:新株予約権上場   4月24日~5月19日:新株予約権の権利行使期間(証券会社によって取次ぎ期間は異なる)   4月30日:新株売却可能日(〇ドットコム証券で最短の場合)   5月12日:新株予約権上場最終日 2.株と新株予約権の値動き   新株予約権上場中の、株と新株予約権の値動きは以下のとおり。 注:(3)の欄は、その時の価格で新株予約権を2個入手し権利行使価格(2個×175円=350円)を払い込んで新株を入手するとしたときの新株入手の総費用。   (4)の欄は、その時の株価と、(3)で計算した新株入手の費用の比較で、新株予約権のディスカウント状況を計算したもの。   4月30日を新株売却可能日としたのは、もっとも早い○ドットコム利用の場合。   この間、3月25日の引け後には、子会社のWWBによる分譲ソーラー発電所の計画策定を公表。翌日には、株価、新株予約権価格とも上昇し、その後も効果が持続。他のライツ実施企業の例と異なり、収益拡大につながる真の好材料と受け止められたということだろう。(ちなみに、このWWB社がリアルコムの衣をまとい裏口上場したというのが東証の見立て。)   また、権利行使期間の最終盤、証券会社によっては手続き締め切り後の微妙なタイミングの5月15日の引け後に、2014年6月期の第3四半期決算短信を公表。第3四半期までで増収減益、通期予想は大幅増益予想維持というこれまた微妙な内容。   最終的な権利行使率は、86.88%と好調であった。   筆頭株主である龍潤生社長は割り当てられたすべての権利を行使。第2位の株主である厳平副社長も同様。   インサイダー(会社の中の人)2名で今回の増資分の半分以上を拠出した格好。会社の将来の業績に対する自信の表れ、または気合を入れて経営に当たっていることの証と思われ、好感ポイント。      また、少し期間を前後に拡大した株価の動きは以下のとおり。   なお、新株予約権割当の権利最終日の3月17日の終値が605円なので、権利落日の3月18日の基準価格は(605円×2+350円)/3 = 520円   上記のチャートでは、両日の間で、605円/520円=1.163倍の株式分割が行われた扱いとなっている(3月17日までの株価を分割率で割り引いて表示)。 3.感想など   ・ライツ・オファリング実施公表で大きく下げ、権利行使期間後に自律反発という、最近のライツ銘柄の典型的な株価の動き。   ・一方、新株予約権の価格は、株価に対しディスカウントされている期間が多かった。最終盤に新株予約権を購入し権利行使すれば即利益が出るという最近では珍しいパターン。    

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