さくらんぼの果実酒 |
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さくらんぼの果実酒を飲む機会が有った。
今まで飲んだどんな果実酒とも違う。
高貴な味とでも言おうか、えもいわれぬ気品がある。
深みがあって嫌みがない。
口に含むと、千の花びらが舌の上にぱっと広がった。
艶めかしくてエロチックでさえある。
芳醇とはまさにこのことかと思う。
3年寝かせたものらしく、琥珀色のややにごった感じ。
のどを通る時の鼻に抜ける香りは、しっとりして楊貴妃を思わせる。
何処までもついて行きたくなる、深い洞窟に引っ張り込まれるような魔力。
飲み込んだ瞬間に、飲み込んだ事を後悔する。
そのままのどの奥に留めておき、永遠にその香りの中に浸っていたい。
どんなさくらんぼでもいいわけではなく、ある特定のものらしい。
古くからの有名な、たった一本の老木。
その桜そのものに様々な逸話や歴史がある。
希少で貴重なため名は明かせない。
花で魅せ、老いてなおこれだけの奥深い味を生む。
この桜は、何か特別な存在を感じさせる。
桜の内部に魂という意志があって、ずうっと「こうしたいんだよ」と
語っている気がしてならない。
マニアの間では一本五千円の値がついているという。
又いつか口にする事が出来るのだろうか。
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最終更新日
2005.04.09 16:22:13
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プロフィール
sunkyu
日本の四季と日本語の美しさ、面白さ、不可思議さ、多様性はとても奥が深い。日々感じたことを「風におよぎ 水にあそぶ」の心持ちで短歌と共に綴っています。 本業は染色作家
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サイド自由欄
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
「アーカイブ」
◎ Ⅰ 短歌
◎ Ⅱ 知っていて損はない話 健康と生活編
◎ Ⅲ 興味深いこと
◎ Ⅳ 興味深いこと パート2
◎ Ⅴ 自然界 地球 異常気象など
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