♪ 中身より行為に意味が有るのだと日記短歌を詠みつづけおり
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第20回「NHK全国短歌大会」の授賞式の模様が、昨日・2日(土)午後3:00~4:14に放映されたのでゆっくり鑑賞させてもらった。1月19日(土)NHKホールに収録されたもの。
一般の部の応募数は20,574首で、このうち4,019首が入選となり、この中から特選3首、秀作25首、佳作55首が選ばれた。ジュニアの部のには18,029首、近藤芳美賞には395組(15首)の応募があった。
私は昨年に続いて佳作止まりだったが、”賞に漏れた理由も大方見当はついている“ というのはやせ我慢かな。作品集が送られてきているので、入賞歌の講評も載っているので事足りるのですが、せっかくなので観ておこうかなと思って・・。
短歌の普及を主眼としている生涯学習通信講座・NHK学園が主催なので、レベルにもかなり幅がある。入選作で ”こんなのでも入るのか” と思うようなのも多くて困惑する。一人で4首5首と入選する人も多く、そんな人達は一体、何首何組の応募をしているのだろう。
①自由題2首一組が2,000円、②自由題2首と題詠1首一組が3,000円で、題詠だけの応募は出来ないことになっている。私は毎日必ず詠む習慣にしているので(良否は別として)、自由題での応募は避けたい。それで題詠だけ応募したくても出来ないので、仕方なく②の3首一組の方へ応募することになる。それも一組だけに決めている。
選者の永田和宏氏が、新幹線の中で2時間の間に30首詠んだことを披歴し、「時速15首」だなんてことを言っていた。確かに慣れればいくらでもできる。1年掛かって詠んだ中から応募しようとすればかなりの数になり、「下手な鉄砲の数打ち」にはなるだろうが、規定からそれはできない。
あの紅白歌合戦の舞台となる ”NHKホールの舞台に上がるのが夢” なんて人も多いんじゃないかな。ひな壇に上がって好きな選者と共演できるのだから、そりゃあ「お上りさん」にとっては光栄なことだ。入選すると家族そろってやって来て、ついでに東京見物も出来るからね。
私も東直子さんが好きなので、来年は真面目に詠んで入賞特選を狙い、彼女と記念撮影する夢をみようか・・。
選者
今回の入賞 特選の1席、2席を掲載しておきます。どれも素直に詠んだものばかりで、バラエティーに富んでいる。何だかなあと思う歌もあったりするが、却って作意が無くていいのだろう。
大会大賞の一首が、2席の永田和宏選から選ばれているのは、どうしたことか。選者が強力に推したとしか思えないが、異論はなかったのだろうか。
入賞者には9年で7回特選に選ばれた人もいるし、50年短歌を詠み続けている人もいる。庶民に支持され目標となって20年も続いていることの意味は大きい。
特選 1席 上ー題詠(天) 下ー自由題 ★は大会大賞(3首)
● 栗木 京子 選
働くな農を止めよと子ら言へど大根の芽は天を指してる
鹿児島 有田イチエ
指し棒のすうつと走る台風の進路にまたも我が町の入る
静 岡 早川 和久
● 穂村 弘 選
団子虫ほうきで掃かれてころころと命を天に委せてゆけり
群 馬 大塚とみこ
死にかけの蟬におどろく母がいるおどろく母が私は怖い
千 葉 広瀬 結
● 坂井 修一 選
いつの日か聞くかも知れぬ天敵ハ絶滅シタとAIの声
東 京 住友 秀夫
アインシュタインの脳(なづき)標本ひんやりと解なき世界の隅に黙
(もだ)せり 静 岡 林 充美
● 池田はるみ 選
好好爺をすきすきじいと孫は読む気持にまっすぐ天晴なよみ
神奈川 岩﨑 幸子
おどる子や豚の鼻する子等なだめ義母の祝の撮影終わる
神奈川 石黒 雅子
● 三枝 昻之 選
存分に鳴き通したるみんみんの仰臥に広し天空の青
東 京 山口 楓子
澄みわたるブルーが僕を満たしてくソロで登った冬のアルプス
茨 城 西村 宗倫
● 大島 史洋 選
いまはもう誰も住まないふるさとの明日の天気を見てから眠る
神奈川 杉本 恭子
昼寝より先に目覚めし三つの子が我にふうはりタオル掛け去ぬ
東 京 市川 夕夏
● 松村由利子 選
水無月の天よりけさも鳥語降る緑ふかまる少子化の里
石 川 濵 邊 孝子
老老の介護にみえるよだいじょうぶ手をつなごうか昔のように
埼 玉 房野 明美
● 伊藤 一彦 選
うんち出たとおまる抱えて来たる子と天に向かって万歳をする
宮 崎 兒玉 瑛子
「んとす」とふ言葉に終はる広辞苑地球の窪みに嵌つたやうで
神奈 金井 千露
● 東 直子 選
暑さから暑さこぼるる橋ゆけば信号待ちのきみが見る天(そら)
フランス 松本 実穂
「家」の字の中に住んでるかたつむり流さぬようにして墓洗う
神奈川 小木 出
● 佐佐木幸綱 選
天国が舞台の劇で声だけの出演ボクは「宇宙の原理」
岡 山 小橋 辰矢
★試験管ひしひしと棚に林立しわが青春は研究室(ラボ)より出でず
福 岡 中村 重義
● 永田 和宏 選
隙間なく豚は荷台に乗せられて高速道路の曇天を行く
茨 城 松本 住江
避難所のどこに置くのか通信簿見せたい母のいないその子は
宮 城 阿部みゆき
● 小島ゆかり 選
★天からの授かりものであるきみはまだ人よりも雲に似ている
埼 玉 関根 裕治
幼くても力合はせればできるぞと祖父が教へし蚊帳のたたみ方
岡 山 森永 瑞枝
● 佐伯 裕子 選
★天からの授かりものであるきみはまだ人よりも雲に似ている
埼 玉 関根 裕治
おにいさんいいこゑだねと母が言ふさうよさうだよわれは子なれば
神奈川 大森 正道
● 篠 弘 選
山々を登りて想ふ夢の夢マチュピチュ見たし天空世界
神奈川 北島 淑子
コカリナの音色は雲雀たちまちに広きホールは野原となりぬ
滋 賀 直木 逸子
● 水原 紫苑 選
天才といわれし息子いまただのひとなり だけど守ってくれる
東 京 森田小夜子
臓器らはことばを発し助け合う手本とすべし国際社会よ
東 京 薄井 一彰
● 真中 朋久 選
震災の年の日記は四月までただ天候と死者の数のみ
兵 庫 山手 漾子
ナーセリー巡りて漸く見つけたる山椒や茗荷に祖国が香る
アメリカ 中原キャシー
● 斉藤 斎藤 選
天上の魚焦がしていませんか来世は男になれそうですか
三 重 前田 千文
友の住む熊谷またも記録され過ぎれば甘き梨とどきたり
茨 城 山上ふみ子
特選 2席 自由題
池田はるみ選 目の塵に足届かざる騏驎らは涙をどっと流すんだって
和歌山 北山 泰子
伊藤 一彦選 きみの薔薇きみの芍薬きみの沙羅きみがあふれてきみだけいない
茨城 黒澤 正則
大島 史洋選 仕事終えあなたは湯気立つカフェオレをあやすみたいに手に包み飲む
東 京 中村恵里子
栗木 京子選 春色のつば広帽子のレディーとなり相部屋の人退院したり
兵 庫 冨家 新子
小池 光選 母逝きて子であることは終りけり崖落ちるごとわが老後来る
静 岡 ま す み
小島ゆかり選 百均のレインコートを元通り畳むあなたは何かに耐える
山 口 松本 進
三枝 昻之選 かの赤きアルファロメオを想いつつ免許返納 紅梅ひらく
神奈川 仁位 義明
斉藤 斎藤選 身動きのままならぬ夫を支えつつ裸身二つが湯船に沈む
神奈川 藤井ふさ子
佐伯 裕子選 指し棒のすうつと走る台風の進路にまたも我が町の入る
静 岡 早川 和久
坂井 修一選 アマゾンの新侵掠者ドローンが撮ったインジオは空見上げぬか
ブラジル 山本 康子
佐佐木幸綱選 電線がなくなり空は江戸の空 今朝はごくりとカルピス飲んで
埼 玉 安藤 靖二
篠 弘選 罪びとが家畜に転生するというシャガールの描く驢馬(ろば)の目
やさし 東 京 宮﨑 洋子
永田 和宏選 ★銀座には銀座の秋の空ありて小さき画廊に椅子ふたつ見ゆ
東 京 岡本 和子
東 直子選 新しき暮し始めるきみのゆく北の夕空半月浮かぶ
オースト ラリア 髙山 征三
穂村 弘選 地球儀の傷みたいねと子はいひぬ日出づる国をそつと撫でつつ
埼 玉 針ヶ谷乃里子
松村由利子選 ラーゲリの名前代はりの番号は何桁なりしや兄の終の地
東 京 髙橋 キン
真中 朋久選 若き日の吾が恋のこと子らは知らず子らの恋をも吾は知らざる
東 京 西郷美智子
水原 紫苑選 「んとす」とふ言葉に終はる広辞苑地球の窪みに嵌つたやうで
神奈川 金井 千露
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