♪ みかんにはあきて桜花のみつをすう目白のいないけさのえさ台
みかんには鵯だけがやって来てピィーョピィーョと鳴いて啄む
やっかみて鳴くスズメらを警戒し犬のぬけ毛をはこぶ四十雀
玄関のとびらにじっと蝸牛雨が嫌いと知る人はなし
かまきりの卵が消える不思議あり何が何して消えたか知らず
雀蜂、小足長蜂、四十雀、わが自然派の家に巣を成す
一年ずつ空き地が消えてゆくたびに草葉も消えて虫も消えゆく
我が歌を提出してもだれ一人意見を言ってくれない歌会
ささやかな楽しみなれど一首とてままならざらりし人の年月
馬場あきこの七つ歳下「ちゃん」付けで呼ばれていたとリーダーの言う
わが庭はふたたび白い花ばかりそに紫の花のまじらん
オオイヌノフグリにあらぬ花群れるベロニカオックスフォードブルーの
プランターに猫のウンチのつぎつぎとふかふか好きのアランの所業(しわざ)
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