《東宮》
何か読む本・・・でも何が面白いのかわからん(~_~;)と迷っていた時に、じゅんじゅんさんという方のブログにこの本のことが書いてあったので、内容もよく確認せずにネットで買ってしまいました。表紙が2種類ありましたが、こっちのほうが気分が盛り上がる?と思ってこの艶やかなイラストの表紙の《東宮》を購入しました。昨日の朝から読み始めて家事や映画《芳華》観賞を挟みながら今日(日曜日)さきほど読み終わりました。この前まで《三体》シリーズを読んでいましたが、ゴリゴリ理系な《三体》シリーズに比べると、女性向けのこの《東宮》、分かり易くてドラマチック要素満載で夢中になって読んじゃったわ~。主人公は西域から政略結婚のため都に嫁いできたお姫様、小楓ちゃん。皇太子の李承鄞から毛虫くらい嫌われていて会うといつも大げんか。こっそりお城を抜け出して、男装して街をブラブラするのが唯一の気晴らしです。・・・と、最初の章はこんな感じで始まります。ちょっとコメディタッチ。とにかく皇太子李承鄞と小楓ちゃんの口喧嘩の場面がすごい。小楓ちゃん、皇太子に向かって遠慮なくズケズケものを言うんです。で、皇太子も皇太子とは思えないほど感情的に小楓ちゃんを攻撃するし。まあ、架空の国の話ですけどね。いくら皇太子妃と言えども普通皇太子にこういう口のきき方をしたら、罰を受けるのでは?(お尻叩きとか死刑とか)と驚きながら読みました。で、次の章は時が遡って李承鄞と小楓が結婚する前のお話。実はこの二人、皇太子と西域の姫として政略結婚する前にすでに出会っていたのです。皇太子は身分を偽って茶を商う商人・顧小五として小楓ちゃんと愛し合っていたのでした。しかし、その後辛い出来事が重なり最終的に小楓は崖から「忘川」という、そこに飛び込むと辛いことをすべて忘れてしまうという川に飛び込んでしまい、それを助けようとした顧小五(李承鄞)も助けきれずに一緒に忘川に落ちてしまう。。。。で二人はかつて愛し合っていたことを忘れてしまう。。。(で、最初の章に続く)この崖落ちの場面などは《三生三世十里桃花》に似てるな~と思いましたがこれはもうどっちがどっちをパクったかというより、こういうドラマチック小説の「あるある」なんだと思います。とにかくドラマチックな展開に崖は必須ですね 笑。で、最後の章。これはもう忘川で忘れたはずの記憶を取り戻してしまった小楓ちゃんの心の葛藤が読んていて辛かったわ。最終的に事の真相がすべて明らかになった場面では、小楓ちゃんと一緒に私も、「え~っ、そうだったの。。。」と頭の芯がヒヤリとしましたわ。いくらなんでも周到すぎるよ、李承鄞。と。記憶を取り戻した小楓ちゃんは李承鄞に「私は顧小五が好きだった。彼はもう死んじゃったけど。」とわざと言い続けて李承鄞を嫉妬させますが、皇太子李承鄞イコール顧小五なんです。でも小楓ちゃんは皇太子としての李承鄞をどうしても好きになれない。許せない。というわけでこの記事、ちょっと意味がわからないかもしれませんが、色々書くとネタバレになりそうなのでね。最初の章ではおてんばお姫様で、いつも何か問題を起こしている問題児で元気いっぱいだった小楓ちゃんが、最後の章ではだんだん無気力無表情になっていくのが涙を誘いました。物語の随所に小楓ちゃんが故郷を懐かしく思い「帰りたいなぁ。」と思う場面が出てきます。これがラストで効いてくるのよね~。涙涙。で、ラストは力づくで泣かせにかかってきますね~。いちおうじゅんじゅんさんの記事を読んでハッピーエンドではないということは知っていましたが、「えっ!ここまでやっちゃう?!(@_@。」とびっくりし、やっぱり泣いて鼻が真っ赤になっちゃいました。思いっきり泣きたい人はこの小説がおすすめよ☆と宣伝したい。とにかく何とも言えない、本当に何とも言えないラストでした。私はこの小説、ハッピーエンド希望でした。李承鄞と小楓ちゃん、お似合いのカップルだったのよ。が、やっぱり無理ですよね(~_~;)