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ほんの駆け出しですがねえ お夏を連れての旅になった不知火の新三は、阿波屋の彦七の懐を狙いずっとつけていた弥太と猪之と一緒に箱根まで来ていたようです。 弥太と猪之がいる部屋に、新三がお夏を連れて戻ってきたので、どうしたのかという顔をしますと、新三は「色々込み入った話になりやしてね」と。すると「出たかい」(駄賃は貰ったかい?)と聞く弥太に「いやぁ」と答える新三を見て、弥太と猪之はどういうことかな・・というような顔をします。 捕物小町のお豊も箱根に来ていました。月あかりで誰もいないのを確認して、夜の露天風呂に入りに来ました。月が雲にちょっと隠れまた顔を出しました。気持ちよさそうに入っていると前方岩陰に男の人が湯に入っているではありませんか。その男の人も何かを感じたようです。 振り向いた男の人は・・不知火新三ではありませんか。 振り向いた顔を見て、お豊は「あっ、不知火」と言葉を発しますが、何しろ湯の中で裸ですからどうにもなりません。新三は誰かとよーく見て、お豊とわかって大慌てで部屋に戻ると、 新三「お夏坊、起きるんだ、おい起きるんだよ」 と起こし、出立の支度をし始めます。弥太と猪之も新三の声に慌てます。 夜道をある程度逃げて来たところで、弥太と猪之は新三に顔をかせといい、横道に連れ込み「金をよこせ」という仕草をします。 新三「何ですねえ」 猪之「とぼけるねえ、おう、おう、俺をいってい誰だと思っていやがんだ。けいど う筋じゃちっとばかり名の知れた道中師、韋駄天の猪之ってんだ」 弥太「やらずの弥太っていうのは俺のこったい。いい加減なことをぬかしやがる と、ただじゃおかねえぞ、こらあ」 新三「とんでもねえ、おあにいさん方に何で」 相手は大商人の阿波屋、番頭の一件を知られ、小娘まで引き受けて、駄賃をもらっただろう・・・わけまえを出せというわけです。 新三「駄賃なんか貰っちゃいませんよ」 弥太「何だと」 新三「さっきも言った通り、身代限りをしようという男から、礼なんぞ貰えっこね えじゃありませんか。おぅ、何ならあっしの身体を調べておくんなさい」 新三がただでお夏を送ってやろうというのを弥太が変わった野郎だといっているところに、待っていたお夏が新三のところへやってきます。 新三「兄貴、俺みてえな、何処の馬の骨とも知れねえ行きずりの男に、たった一人 っきりの娘を頼むというのは、これはよほどのことですぜえ。それを思った ら、お夏坊を見捨てるわけにはいかねえじゃねえですか」 新三の考えに感心する二人ですが、いつまでも付き合っていられない。さんぴん侍から証文を頂いて、あの旦那に売りつけないと何にもならないといいます。それを聞いた新三は「あっしも仲間にいれておくんなさいよ」と持ち掛けます。 弥太が「やれるのかい」と手を曲げてみせますと、 新三「えっへっへっ、ほんの駆け出しですがねえ」 二人は新三をじろじろ見て、新米と聞いて、二人が面倒を見て色々おしえてやるというのです。新三はその言葉を聞いていてにやりとしてしまいます。「せいぜいやるんだな」と偉そうにする二人に「ありがとうございやす」と礼を言うのです。 その時、人の気配がしたので身を隠していますと、お豊と鉄蔵が新三を追って先を急いでいるようです。 お堂で夜を明かした新三達は、まぼろしのお六が証文を盗った侍達と歩いて行く姿を目にします。弥太と猪之もお六のことを知っているようで、お六も目を付けているなと言います。新三は何を思ったのでしょうか。 続きます。
炎の城・・・(11) 2024年08月05日
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