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親不孝の泣きごとを言ってから死にやがれ 草間の半次郎シリーズ最後の作品第4弾になります。 義理と人情の男の世界、やむにやまれず人を斬る、股旅がらすの草間の半次郎。 久しぶりに演じた橋蔵さんは、哀愁と悲愴な美しさをみせて、見事なやくざ剣法を見せてくれました。20数年ぶりに故郷鹿島に戻った半次郎が瞼の母と許婚の幸福を守るため、土地のヤクザをたたき斬る股旅慕情篇です。 旅烏の草間の半次郎は、義理のために人を斬って逃れて来たのは鹿島路は浜津賀でした。その鹿島灘の雄大な風景は、半次郎に何故か幼い頃の記憶を呼び覚ますのでした。 その土地のやくざ安五郎は半次郎を探す一方で、大しけで働き手の男達を失った村の娘達を売り飛ばそうとしていました。半次郎がさらわれようとした娘を救うが、網元平田屋の女主人おとくは大のやくざ嫌いのため、半次郎を村から追い出そうとします。半次郎は村を去ろうと決めたのですが、不思議な浪人の予言を聞き、平田屋の分家の家に留まっていたが、安五郎が平田屋に乗り込み半次郎の引き渡せとおとくを脅しにかかります。 あるとき、網元平田屋の女主人が自分の本当の母親と知った半次郎は・・・。 ◆第63作品目 1960年5月29日封切 「草間の半次郎 霧の中の渡り鳥」 草間の半次郎 大川橋蔵 おとく 山田五十鈴 横瀬の弥市 伏見扇太郎 おこよ 喜多川千鶴 おけい 大川恵子 伊之助 原建策 飯岡の助五郎 岡譲司 平手造酒 須賀不二男 矢切の長太郎 田中春男 伝八 清川荘司 洲崎の政吉 時田一男 作右衛門 水野浩 柿崎の荒五郎 波多野博 中富十兵衛 月形龍之介 境田の安五郎 進藤英太郎 三波春夫さん歌う主題歌「霧の中の渡り鳥」と共に配役が流れます。
親も知らなきゃ ねぐらも持たぬ 生まれながらのやくざ者 夕べ筑波の麓で泣いて 今宵大利根の霧に泣く そして、画面は利根川を笹川一家の三艘の舟が飯岡一家との対決に向かって行くところから始まります。 そのうちの一艘では、平手造酒に助っ人の一人横瀬の弥市が飯岡との決戦をどのようにするのか聞いている後ろで、横瀬の弥市の相棒というやくざは寝息をたて寝ています。平手もその度胸に苦笑い。弥市が相棒を起こします。 「草間の・・・」と起こされた男は、「ううーん、着いたのかい」と言い目を覚ましました。
弥市が平手造酒がその度胸をほめていると伝えると「ほう・・」 そこへ平手が徳利を差し出し 平手 「あははははっ、どうだ、眠気覚ましに一杯やらんか」 半次郎「いえ、あっしは、とんだ不調法でして」 平手 「さようか、ならばすすめまい」 そんなやり取りがあり、利根川を進んでいた舟から見えた部落を見て、弥市が呟きます。 弥市 「ああ、横瀬だ」 半次郎は弥市を見て 半次郎「横瀬?」 弥市が生まれ故郷だといいます。 半次郎「すると、あそこに、二親さんが」 今は、おふくろさんだけと弥市がいいます。 半次郎「そうかい、そいつは知らなかったぜ」 そうこうしていると、目的地につきます。一宿一飯の掟に従い、大利根川での大決斗。待ちかまえていた飯岡一家を前にしたとき、草間の半次郎は笹川の繁蔵の前に出ると、 半次郎「へっ、草間の半次郎、一宿一飯の縁の従いまして、一番がけをさしていた だきます、ご免なすって」 そう言って飯岡一家の方へ駆けていく半次郎。弥市も半次郎を追っていきます。
半次郎が斬っていくと、双方の乱れての大喧嘩になります。しかし、少し経ったところで飯岡の助五郎が「引けえ」と言う声で飯岡一家が引き揚げていくのです。斬り合っていた半次郎も、笹川の繁蔵達も何が起きたのだろうと面食らっていると、飯岡一家が引いたそこには、助五郎が手を回しておいた代官所の御用提灯が待っていました。飯岡助五郎の奸計にかかったのです。
笹川の繁蔵の「逃げろ、散れ」で、半次郎も逃げようとしているとき、草むらに負傷した弥市が倒れているのに気づきます。「弥市・・・」 半次郎「おい、弥市、しっかりしろい・・・。俺だ、俺だぜー・・」 弥市が「あっ、草間の・・」と気がつき 半次郎「傷は浅い、さっ、早く」 と言い、辺りの様子を伺い弥市を起こそうとしますと、弥市は半次郎に、 弥市 「俺はもうだめだ。・・・兄貴の、兄貴の足手まといになりたくは ねえ。すっぱりと止めをさして・・・」 半次郎「馬鹿いえ、川向こうの横瀬には、おふくろさんがいなさるんでい」 というと、弥市を抱え起こし、 半次郎「死ぬなら、親不孝の泣きごとを言ってから死にやがれ、ちきしょう」 半次郎は傷ついた弥市をかかえながら、捨てゼリフのように言い放つのです。 続きます。
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