天童ジャズミーティング2004
昨日天童ジャズミーティング2004に行ってきました。始めていくので、少し早めに行きました。約210kmの行程で2時間半ほどを見込んでいましたが、ジャスト2時間で着きました。着くのが早すぎたのか、10時でしたが観客はまだ誰もいなくて、スタッフに聞いたら、11時から当日券の売り出しが始まるということで、1時間ばかり、新聞などを読んで過ごしました。会場は山形県立総合運動公園内のお祭り広場というところを使って行われましたが、芝生の貼ってある綺麗な場所で、とても快適でした。10時45分くらいから、ぼつぼつとお客さんが集まり始めたので、私も並びました。天気予報では雨の確率が0パーセントでしたが、雨が降りそうな雲行きで、風が強く肌寒い気候でした。12時半開場し、ステージ前列2番目に陣取りました。開演前の歓迎演奏が地元のジャズバンド セレクション?により行われました。ステージ下の私のすぐ真ん前で演奏しているのですが、ミスもなくすばらしい演奏でした。特に、私の大好きなネスティコのQueen Beeを生で聞くことが出来て、とても嬉しかったです。これで、ソロがもう少しよければ文句無しでした。1.ミッション・インポシブル2.シャイニー・ストッキング(Frank Foster)3.80日間世界一周4.Switch in Time(Summy Nestico)5.Qween Bee(Summy Nestico)6.バイバイ・ブラックバードこの後、映画スイングガールズの矢口監督と主演の上野樹里、本仮屋ユイカの挨拶と監督と上野のサックスデュオ?があり、いよいよ本番に突入しました。最初の出演は川島哲朗5で、アフリカのセネガルとギニアの民族衣装をまとったメンバーが登場し、いきなりアクセル全開モードでした。川島哲朗のプレイは、日野5などで何回か聞いたことがありましたが、自身のグループでの演奏を聞くのは今回が初めてでした。サイドメンでの演奏と違っていてびっくりしました。太くたくましい音色と、歌心あふれる演奏で、何故かガトー・バルビエリを思い出してしまいました。これからは、日本のガトー・バルビエリと呼ぶことにしましょう??彼は、循環呼吸を収得しているようで、所々その技がかいま見られました。所々フィーチャーされる山北健一のパーカッションもよかったです。川島哲朗(ts,ssfl) 中村真(p) 工藤精(b) 力武誠(ds) 山北健一(perc)1.川島哲朗 曲名不明2.川島哲朗 ホライズン3.見上げてご覧夜の星を4.ボラボラ次に登場したのが、話題のXuXu(しゅしゅ)で、今回参加した理由の1番目は彼女たちの演奏を聴きたいと思ったからです。最初に意表をついて秋吉敏子の『孤軍』から入りましたが、それまでの会場の雰囲気ががらっと変わったのが判りました。曲は長いので、結構短くしてありましたが、鼓の擬音など、結構面白い効果だったと思います。そのほか、しゅしゅ語といわれる、なんだかよく分からない言葉を駆使して、ロシア民謡、ジャズナンバー、古い歌謡曲などの演奏が繰り広げられました。ジャズナンバーでは私の期待していた、オープンハーモニーによるはもりを聞くことが出来ず、期待はずれでした。テクニックはあるんでしょうが、すべて譜面に書かれているようですし、何を聞いても、ブルガリアン・コーラスみたいな感じになってしまうのでそこいらへんが今後の課題ではないでしょうか。また、アカペラのせいか、リズム感が希薄だと思いました。アフリカ音楽から歌謡曲まで、幅広い選曲でそれなりに楽しめましたが、どうも印象が散漫になった感じが否めませんでした。一言で行って、ハモネプの高度な発展形とでも行ったらよいでしょうか。個人的には、LHRのように、もう少しジャズよりになってくれればな~と思います。asuka yumi noriko yuki(voice)1.孤軍2.スパイ大作戦のテーマ3.ブルー・モンク ミュート・トランペットのまねが面白い。3.サマータイム (2バージョン)4.クルスキ・ファンク ロシア民謡 ブルガリアン・コーラス風5.パタパタ アフリカの音楽6.銀座カンカン娘 沖縄民謡風7.ラ・フィエスタ8.枯葉9.メモリー ~オペラ座の怪人より次は、地元出身の高嶋宏ソウル・ミーティングでしたが、ブルースを中心に腰の据わった音楽でよかったです。西川直人のオルガンも良かったですね。ところで、演奏中高嶋氏の同級生とおぼしき数人の中年の集団が大声で、名前を連呼したりしていましたが、やかましくて演奏に集中できませんでした。ジャズのコンサートに行くと、よくかけ声をかけたりするか違いますが、今回は度を超しているようで、すごく迷惑でした。こういうのを、ひいきのひきたおしと言うんでしょうね。中村誠一にオヤジとかいって、逆に『お前らもなるんだぞ』と言われていました。高嶋宏(g) 中村誠一(ts) 西川直人(org) 田鹿雅裕(ds)1.So I Do (高嶋宏)2.Home Coming Today(高嶋宏)3.キャラバン(エリントン)4.エアジン(ロリンズ)5.青い影6.モーニン(ボビー・ティモンズ)次は、映画『スイングガールズ』の出演メンバーによる演奏でした。正味10分程度のミニライブでしたが、楽器のさわったことのない、人たちが約4ヶ月の特訓で、それなりに聴かせる演奏を出来るようになっていて、びっくりしました。セーラー服姿の彼女たちをみると何か、新鮮な感じがしました。編成はsaxが4(as2,ts2)、tb4、Tp4、g1、b,ds,pでピアノだけが男の子でした。まあこれは、ここまで訓練したレオさんの功績でしょう。そういえば、矢口監督も週一回サックスのレッスンを受けていると言っていました。映画を見て、ジャズが好きになる子が増えればいいな、と思います。1.オーバー・ザ・レインボー2.アップタイト(メンバー紹介)3.メキシカン・スケッチ4.シング・シング・シング次に登場したのは、ハロルド・メイバーン・トリオでした。この人の演奏は初めて聴きました。特に新たな発見はありませんが、ベテランらしい安定した演奏が楽しめました。EW&Fの宇宙のファンタジーは珍しい選曲でしたね。4曲を終わった後、矢野沙織をフィーチャーして4曲が演奏されました。いきなり、パーカーの『ムーズ・ザ・ムーチ』から始まりましたが、この曲では出だしということか、うつむき加減で機械的なソロに終始してあまり楽しめませんでした。その後の曲は、徐々に本来の力を発揮して、それなりに楽しむことが出来ました。特に、ラバーマンが良かったです。スローな曲で、あれぐらいの表現力があれば大したもんだと思います。テクニックは十二分にあると思いますし、音も以外に太かったんですが、パーカーの影響が強すぎて、パーカーフレーズが頻発しているのが残念でした。後の、インタビューでビッグバンドで譜読みの勉強をしたいと仰っていましたので、これからも研鑽を積んで、すばらしいミュージシャンになってほしいものです。ハロルド・メイバーン(p) ナット・リーブス(b) ジョー・ファンスワース(ds) 矢野沙織(as)1.宇宙のファンジー2.曲名不明3.My Favorite Things4.セサミストリート5.ムーズ・ザ・ムーチ6.砂とスカート(矢野沙織)7.ラバーマン8.曲名不明最後は渋谷毅オーケストラでした。名前だけは知っていましたが、音を聞くのは初めてでした。最新作ずっと西荻からの曲が中心でした。いきなり、ギル・エバンスの『時の歩廊』風の石渡明廣のオリジナルから始まりましたが、一挙に20年くらい昔に帰ったような気持ちがしました。ギル・エバンスは久しく聞いていませんでしたが、また聞いてみたくなりました。その後、エリントンの2曲を挟んで、林栄一、松風紘一のオリジナルと続きました。ジャコ・パストリアスの曲、ミンガス風の曲などいろいろな演奏を楽しめましたが、トランペットがないので、音色的にちょっと物足りない感じがしました。またサックスが4人でトロンボーンが1人だったので、トロンボーンがソロを吹いていても、バックのサックスにかき消されるような場面がありました。ソロでは津上研太がよかったです。いずれにしても、結構面白かったので、彼らのCDを今後チェックしていきたいと思います。ところで高嶋宏の演奏の時に、騒いでいた集団が私の後ろに移動してきて、本当に迷惑しました。特に、演奏に合わせて歌うのには参りました。また、撮影禁止にも関わらず、堂々と、ステージの真ん前に来て、写真を撮っているのにはあきれました。最後は、係員に注意をされていましたが、このようなマナーの悪い観客はびしびし取り締まってもらいたいものです。渋谷毅オーケストラ渋谷毅(p,org) 松風紘一(FL,AS,BS) 峰厚介(ts) 津上研太(ss,as) 林栄一(as) 松本浩(tb) 石渡明廣(g) 上村勝正(b) 古澤良治郎(ds)1.グレイト・タイプ(石渡明廣)2.バラード(石渡明廣)3.Such Sweet Thunder(Duke Ellington)4.Sonnet For Sister Kate(Ellington-Strayhorn)5.ブラザー(林栄一)6.Three Views Of A Secret(Jaco Pastorius)7.Aita's Country Life(松風紘一)最後のジャムセッションはパスして、家に帰りました。往復420km、結構疲れましたが、面白かったので、また来年も行きたいと思います。でも、今度は後ろの方で見た方がいいかもしれませんね。。。