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テーマ:クリスマスは・・。(581)
カテゴリ:つぶやき
12月も残すところ後僅かになり、年の瀬が迫って来ると何かと慌しくなる。忘年会、年賀状、大掃除など毎年の事ながら師走の勢いは川の急流の如く早い。子どもたちが待ちわびるお年玉ももう直ぐだが、その前に大きなプレゼントが待っている。クリスマス、日本にクリスマスが定着してから70年以上も経つが、この日だけは特別で宗教に関係なく大人も子どももパーティなどして楽しむ。サンタクロースの存在を信じているのは低学年の子どもくらいだろうか?我が家ではつい最近まで息子は信じていたようである。「サンタに足を踏まれた」と話してくれたりしたが、プレゼントをくれたのが両親だと知ったのは私が書いた詩「クリスマスツリー」を読まれてしまいサンタクロースの存在についての疑問が解けてしまったようである。私自身はサンタクロースからプレゼントを貰った記憶はない。ただ一つだけ鮮明に覚えているのは、酒に酔った父が夜遅く帰って来て小さな白い箱を照れ臭そうに私に差し出した時の事。箱を開けて見ると中には雪のように真っ白な丸いケーキ、そして大きくて真っ赤な苺が三つ並んでいた。相当酔って帰って来た父の千鳥足のせいか、丸い形は所々崩れかけていたが生クリームの甘い匂いと父の酒臭い息で父と子の会話は途切れて涙に変わった。それがクリスマスだったか誕生日だったか思い出せないにしろ私にとっては最大のプレゼントであった事は確かである。家庭を顧みず、飲んだ暮れのやくざな父が暴力を振るう時は鬼に見えても、やはり心の何処かで私の存在を気にしてくれているのだと思うと、痣のひとつやふたつは直ぐに消えてしまうのである。42歳という若さで命を絶った父の面影がクリスマスと共に再び今年も蘇ってくる。私のサンタクロースは歳を取らず42歳のままで酔っ払いながらトナカイを引いて来る。
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