1397 めちゃ怖3/霊魂との交信「霊能力を持つ男」驚愕のドキュメント
1397 めちゃ怖3/霊魂との交信「霊能力を持つ男」驚愕のドキュメント※オモテ面【スタッフ】・監 修 小池壮彦・音 楽 スキャット後藤 山田ヤスト・撮影協力 LOFT PLUS ONE ミリオン出版・企画協力 伊保内裕美・アートデザイン 中平一史 青木由香里(Viemo)・プロデューサー 工藤達矢 松瀬真一郎 しまだゆきやす・制作進行 那須千里・撮 影 近藤能人・編 集 小川和彦・構成協力 向井康介 桑原あつし・監 督 山下敦弘【キャスト】・森 達也・住倉カオス・野嵜好美・山本剛史・竹田尚弘※ウラ面【仕 様】・型 番 R-SDHR-003・製作年度 2009年・製 作 国 日本・原 題 ----・発 売 元 SODクリエイト株式会社・販 売 元 ソフト・オン・デマンド株式会社・提 供 ----・価 格 6,500円(税抜)/6,825円(税込)・字幕翻訳 ----・吹替翻訳 ----・吹替監修 ----・吹替演出 ----・日本公開 ----・リリース ----・収 録 本編 88分・サ イ ズ 16: 9・音 声 1.日本語・字 幕 ----・そ の 他 片面 1層、COLOR、MPEG-2、 DOLBY DIGITAL、ALL NTSC、 DVD、レンタル専用・映像特典 ----※ピクチャディスク【ジャケット】・オモテ面:再生ボタンを押す勇気はありますか? 注意 失禁必須! 発禁覚悟の「呪われた」恐怖映像!・ウラ面 :不気味な人形…、 朽ち果てた靴…、 未解決殺人事件。 ※本作品には一部奇怪な表現が含まれ ますが、それが視聴者に及ぼす いかなる被害についても SRI(超常現象噂調査隊)は 一切の責任を負いかねます。 (なお、今作品は必ず2人以上での 鑑賞をお勧めします。) 天才・山下敦弘監督×シャーマンシリーズ3本目にして、ようやくレイアウトとコピーに変化が現れた。ここでは、山下敦弘監督の名前の扱いを小さくし、あたかもフツー(?)の心霊ビデオであるかのように装っている。(あまり遊び心がみられない) まるで本の帯のように著名な人からのコメントを記載せず、扇情的なキャッチコピーに変わってしまった。ウラ面は、レイアウトを変更し、本編のフェイクドキュメンタリーのストーリーを丁寧に掲載している。そして、まるで70年代のモンド映画のようなキャッチコピーが目を惹く。「一切の責任を負いかねます」「2人以上での鑑賞を」と、なかなか力がこもっている。うーん、これはこれで、モキュメンタリーのコピーとしては正しいような気がするな。でも、ちょっと焦点がボケてしまったような……。(苦笑)モキュメンタリーは、存在そのものが微妙な立ち位置にあるから、作り手や売り手がしっかりと腰を落ち着けないと、こういうことになるんだろうなぁ。【感 想】「モキュメンタリーの中のエセ霊能力者に感化された女性の末路」山下敦弘監督による心霊系モキュメンタリーの第3弾にして最終巻。圧巻だった。エセ霊能力者を登場させ、その騙しのテクニックを暴いて屈伏させるのかと思いきや、まさかのオチ。これにはビックリ。笑うより唖然としてしまった。(笑)エセ霊能力を演じた山本剛史さんの強烈な胡散臭さに引き込まれてしまった。その存在感とウソ臭さには妙な魅力と説得力がある。「こういう役者さんがいるんだなぁ」と、しみじみ感心してしまった。やや小粒な感じがしないでもないが、ジャリタレを起用するくらいなら、彼を要所にキャスティングした方が、映画のスクリーンは締まると思うな。(笑)そして、何よりも、助手の野嵜さんが、エセ霊能力者に“取り込まれ”てしまう展開が凄い。脚本があるのかどうか知らないが、ロケの後も心霊療法を受けていたと言う彼女が、山下隊長(監督)らに事情聴取される時の顔の表情が見事。彼女の役者としての奥深さを感じた。シリーズの中で、強気でバシバシ行くタイプに見せておいて、本作品では女性としての顔を垣間見せる。然も、降霊の儀式を行うエセ霊能力者がピンチに陥ると、自らも儀式に参加してみせる。いわゆる悪どい新興宗教や霊感商法の被害者が辿る道を見せられたような気がした。そして、あのオチ。「信じる」派も「信じない」派も、まとめてウッチャリをかますような幕引きは、本シリーズの最も重要なシーンだろう。独特のユーモアに包まれているが、内側には毒を含んでいる。それを、どう感じるかによって本シリーズの評価は変わる。本物の心霊現象や写真、動画を求める人たちにとっては噴飯モノだろう。彼らは、否定するかも知れないが「信じる」派だ。一方、「信じない」派にとっては、何かが起きて終わるところにモヤモヤしたものが残るはずだ。モキュメンタリーである以上、明確な否定は肯定に繋がる。だから、「心霊写真などなかった」「幽霊は出なかった」「霊能力者に特殊な力なんかない」と描けない。風刺の精神は、虚構をリアルに作り上げるほど混迷して行く。現実と虚構の境界線がぼやけて来るからだ。だからなのかも知れないが、最後に笑いを用意し、ダメ押しのように作り物然とした投稿映像が流れる。虚構としての立ち位置を明確にする。(ナビゲーターの心霊サイトの管理人が、どういう気持ちでモノローグを口にしたのか聞いてみたい)世の中に溢れている心霊系のビデオは、多かれ少なかれ、モキュメンタリーである。少なくとも、そういう要素を含んでいる。けれど、それは決して明らかにされない。明らかにしてしまっては、存在意義が失われるからだ。けれど、本作品は、端から作り物であることを宣言している。超常現象噂調査隊(SRI=SUPERNATURAL RUMOR INVESTIGATORS)を名乗り、同ロゴを付けた安物のキャップとウィンドブレイカーを山下敦弘監督と助手の野嵜好美さんが着て登場するだけで、戯画化されていることが伝わって来る。異色のビデオなだけに観客を選ぶかも知れないが、オススメ!