1819 ソルト
1819 ソルト※オモテ面【スタッフ】・監 督 フィリップ・ノイス・製 作 ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ サニル・バーカシュ・脚 本 カート・ウィマー・撮 影 ロバート・エルスウィット,ASC・音 楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード【キャスト】・イヴリン・ソルト… アンジェリーナ・ジョリー(湯屋敦子)・テッド・ウィンター… リーヴ・シュレイバー(東地宏樹)・ピーボディ……キウェテル・イジョフォー(竹田雅則)・オルロフ……ダニエル・オルブリフスキー(浦山 迅)・国防長官…………アンドレ・ブラウアー(中村浩太郎)※ウラ面【仕 様】・型 番 RDD-80086・製作年度 ----・製 作 国 アメリカ・原 題 SALT・発 売 株式会社ソニー・ピクチャーズ エンターテイメント・販 売 元 ----・価 格 12,000円(税抜)・提 供 ----・字幕翻訳 菊地浩司・吹替翻訳 徐 賀世子・吹替監修 ----・字幕監修 ----・日本公開 ----・リリース ----・収 録 約 100分・サ イ ズ 16: 9 LB シネスコ (2.40:1)・音 声 1.ドルビーデジタル 5.1chサラウンド オリジナル (英語) 2.ドルビーデジタル 5.1chサラウンド 日本語吹替・字 幕 1.日本語字幕 2.英語字幕・そ の 他 片面2層、COLOR、MPEG-2、複製不能、 DOLBY DIGITAL、2 NTSC 日本市場向、 DVD VIDEO、レンタル専用・映像特典 ----※ディスク【ジャケット】・オモテ面:彼女は、何者なのか? そして、真の目的は――・ウラ面 :アンジェリーナ・ジョリーが仕掛ける 最強のスパイ・アクション!!本作品のヒット以来、同じようなレイアウトのジャケットが増えた。『ラン・スルー・ザ・ナイト(16)』とかね。(笑)金髪と黒髪とニット帽姿のアンジェリーナ・ジョリーの画像が使われているので、ファンとしては嬉しい出来映えではなかろうか。ただ、オモテ面とウラ面のメインの画像は、同じような画像なのは、個人的には残念に思っている。クライマックスで見せたショートカットの画像も使って欲しかったなぁ。(キュートだった)【感 想】「黒髪ショートカットに白いワイシャツのA.ジョリーはカワイイ」タイトルだけで言いたいことは言い尽くしてしまった。(笑)カビのはえた陰謀説を引っ張り出し、カビがはえつつある逃亡劇のアクションに仕立てたのは、カート・ウィマー。『リベリオン』などの監督サンだ。今回は、フィリップ・ノイスがメガホンを取ったようだが、仕上がり具合は全編“カート・ウィマー”である。(笑)この方、よほど反体制の思想が根深いのか、毎々体制側の陰謀に立ち向かう個人を好んで描きたがる。政治や国家に対する不信感が強いんだろうなぁ。ある意味、“自分以外は全て敵”というシチュエーションは、ヒロイズムやリリシズムの基本だと言える。それに、絶体絶命の危機から如何に生きのびるかは、サスペンスの条件でもある。だから、ヘンに偏った描写をしなければ、良い作品を残せるはずだ。そういう素養を持っているのだから。しかし、本作品はザンネンながら、その一本ではなかった。ただ、アンジェリーナ・ジョリーの新たな魅力を引き出すことに成功した稀有な一本であることは間違いない。ストーリーそのものは、どこかで聞いたような話しで、A.ジョリーが演じる主人公イヴリンが逃げ始めたところで粗方読めてしまう。「たぶん次はこうなるな」と思うと、その通りに展開する。十中八九は当たった。読めなかったのは、A.ジョリーの黒髪のショートカット姿だけである。(クドいな) そう書くと、つまらない作品のように思われてしまうかも知れないが、決してそうではない。まずまずよく出来ている。退屈しない。役者も達者だ。ややもたつく場面もあったが、演出もシャープだ。アクション映画での経験値の高いA.ジョリーに負うところが大きいものの、悪くない感性だと思う。ただ、イヴリンが、どの時点で自分の素性に気づいたのか曖昧なのは、いただけない。ストーリー展開上、観客を騙す必要があるから仕方ないものの、そうであれば根本的に欠陥があることになる。いきなりスーパーウーマンのような活躍を見せるイブリンに鼻じらんだ方も多いはずだ。演出プランで、その辺りのことがキレイに整理されていたら、もう少し納得の行く作品に仕上がったことだろう。劇中にみせる七変化は故あってのことだが、金髪ロングにスーツスカート姿は、いかにもバタ臭くて「もうちょっと他になかったの?」と思ってしまった。まぁ、物語の進行と伴に姿を変えて行く都合上、このくらいのギャップのあった方が良いのかも知れない。また、リュックを背負い、ニット帽に着古したブルゾンで逃げ回る姿に色気はない。都会の喧騒に溶け込む意図があってのことだろうが、ファンとしてはスクリーンで映える衣装を選択してほしかった。そういうリアルさや説得力が必要な時もあるが、時にはファンサービスを優先することも、興収を伸ばすためには必要なことだと思う。そういう意味では、エンディングは非常にマニア好みだ。川から這い上がり、ワイシャツの前をはだけさせて、必死に林の中を駆けて行く姿は、なかなか印象的だった。総じて、マゾっぽい嗜好のA.ジョリーの魅力が堪能できる作品である。(彼女は、他者を圧倒する迫力のある女優さんだが、実は被虐的な性向を持つ方だと、私は思っている) オススメ!