0212 SPACE BATTLESHIP ヤマト
0212 SPACE BATTLESHIP ヤマト【スタッフ】・監 督 山崎 貴・V F X 山崎 貴・原 作 西崎義展・脚 本 佐藤嗣麻子・音 楽 佐藤直紀・主 題 歌 「LOVE LIVES」スティーヴン・タイラー (ソニーミュージックジャパンインターナショナル)・製作統括 信国一朗・企 画 中沢敏明、濱名一哉・エグゼクティブプロデューサー 飯島三智、阿部秀司、市川 南・プロデューサー 東 信弘、山田康裕、石丸彰彦、安藤親広・ラインプロデューサー 竹内勝一・撮 影 柴崎幸三・照 明 吉角荘介・録 音 鶴巻 仁・美 術 上條安里・装 飾 中澤正英、龍田哲児・編 集 宮島竜治・VFXディレクター 渋谷紀世子・音響効果 柴崎憲治・キャスティング 北田由利子・助 監 督 山本 透・製作担当 金子堅太郎・映画「SPACE BATTLESHIP ヤマト」製作委員会 TBSテレビ、セディックインターナショナル、東宝、ロボット、 ジェイ・ドリーム、博報堂DYメディアパートナーズ、小学館、 毎日放送、中部日本放送、白組、阿部秀司事務所、TBSラジオ& コミュニケーションズ、TCエンタテインメント、TOKYO FM、 東北新社、RKB毎日放送、北海道放送、ほかJNN全28局・企画プロダクション セディックインターナショナル・制作プロダクション ロボット・VFXプロダクション 白組【キャスト】・木村拓哉・黒木メイサ・柳葉敏郎・緒方直人・池内博之・マイコ・堤 真一・高島礼子・橋爪 功・西田敏行・山崎 務【仕 様】・型 番 TCED-1117・製作年度 2010年・製 作 国 日本・原 題 ----・収 録 本編 138分+特典映像 8分・音 声 本編 日本語(5.1ch サラウンド) 特典 日本語(2.0ch サラウンド)・字 幕 日本語ガイド字幕(本編のみ)・サ イ ズ 16: 9 LB シネスコサイズ(本編) 16: 9 LB ビスタサイズ(特典)・そ の 他 片面2層、MPEG-2、COLOR、DOLBY DIGITAL、 NTSC 日本市場向、DVD、セル専用、\2,500円(税抜)・発 売 元 セディックインターナショナル、ジェイ・ドリーム・販 売 元 TCエンタテインメント株式会社・映像特典 プロモーション映像集(予告編、特報、TVスポット、「ご当地ヤマト」映像)・リリース 2011.06.24【ジャケット】・オモテ面:----・ウラ面 :構想36年。木村拓哉を主演に迎え、 夢の映像プロジェクトがついに実現! 必ず生きて還る。このジャケットが、すべてを物語っているよなぁ。(溜息)オモテ面は、ヤマトに木村拓哉くんの顔がオーバーラップしている。木村拓哉くんを押し出している。ウラ面も、木村拓哉くんが中心。然も、キャッチコピーが、“木村拓哉を主演に迎え”だもんね。大きな間違いだ。特段、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのファンではないが、リアルタイムで観ている者としては、「フザけるな!」と言いたい。(笑)【感 想】「宇宙戦艦“キムタク”」『宇宙戦艦ヤマト』とは名ばかりで、ほとんど木村拓也くんの独り芝居だった。……ヤマトじゃないじゃん!(泣)レビューを書くのをやめようかとも思ったが、あまりに悔しいので文句を連ねることにした。製作委員会の名簿の長さからすると、多額の製作費を集めたようだし、苦情を受け付ける係くらい用意しているだろう。ストーリーをどのように改変しようと構わないが、的を外されては困る。まず、ヤマトが主人公でなければならない。古代進も森雪も沖田艦長も、冷たい言い方をすれば、狂言回しに過ぎない。なのに、ヤマトの姿が映るのは戦闘シーンだけと言うお粗末さ。或いは、時間の経過を表現する時だけ。間違ってるでしょ!?ヤマトが主人公なのだから、その存在を観客に納得せしめるためには、しっかりと描写しなければならない。ロバート・ワイズ監督の『スタートレック』がいい見本になる。土砂に埋もれていたヤマトが、息吹をふきこまれ、宇宙戦艦として再び浮上する場面が最初のカタルシスでなければならない。そこは丁寧に、リアルに描くべきだ。カットを費やし、他のシーンを犠牲にしてでも、一大スペクタクルに仕上げる必要があった。なのに、このショボさは何?波動砲にしても、タメの描写がなくて拍子抜け。ガマンしてガマンして発射するところ(笑)に共感するのであって、何やらアッサリと描かれても説得力がないではないか。伝家の宝刀だからこそ、見せ方には凝って欲しかった。ワープも同じ。ホコリの中に入って行ったり、ホコリの中から出て来たり……。科学的な根拠があるのか知らないが、イメージの違いにズッコケてしまった。(死語だな)宇宙での戦闘シーンにも感動がなかった。遠景が多くてつまらない。CGの自由さが全く見受けられないし、そもそも演出がなされていない感じがする。劇場版『機動戦士ガンダム』を見習って欲しいと切実に思った。セルアニメに負けるようじゃ、センスがないと言わざるを得ない。それに、ガミラスの宇宙船のデザインにしても『スペース・ヴァンパイア』を想起させ、オリジナリティが感じられなかったのもマイナス。そう言えば、ガミラス/イスカンダル星の地下の戦闘シーンは、『スターシップ・トゥルーパーズ』にそっくりだった。著名なアニメの実写化に挑んだ勇気はかうが、いきごみだけでは誰も納得しない。評価も価値も定まった作品を原作にするなら、よほど上手にイメージを払拭しないと……。ただ「好きだから」という幼稚な動機だけでは、学芸会にしかならない。役者さんたちは、一部を除いて、かなり真剣にイメージ作りに取り組んでいた。また、登場人物同士が名前で呼び合うことで、ナマ身の人間としての存在感を演出した脚本は見事。アニメではなく、実写であることを逆手にとった手法だ。おかげでゴッコ遊びにならずに済んだ。脚本は、佐藤嗣麻子さん。才人だと思う。『宇宙戦艦ヤマト』『さらば宇宙戦艦ヤマト』『宇宙戦艦ヤマト/完結編』をシェイカーに入れて軽く振ってグラスに注いだようなストーリーは、まぁ仕方ない。初の実写版で総華的になるのが人情だ。でも、ヤマトは地球に帰還して欲しかった。相原役を演じたマイコさんに不思議な魅力を感じた。オススメしたい作品ではないけれど、彼女に星ひとつプラスしましょう!