日本での交通事故 (1)
次の日に引越しを予定していて、図書館で借りた本を返却するために家の近くの西落合図書館へ向かう途中に、交通事故に遭ってしまった。家からわずか200mほど離れた住宅街の交差点で、自転車に乗ってて、右のほうから直進してきた乗用車とぶつかって、自転車とともに倒れてしまった。すぐその場の店の人が救急車や警察に報告した。運転者は近所のおじいさん。救急車や警察が来る前に、倒れている私に向かってきて、「大丈夫?」かとか聞きながら、国を聞いて「韓国です」って答えたら、「アンニョンハセヨ。ケンチャナヨ?」(こんにちは。大丈夫ですか?)など、韓国語でちょこちょこ言いかけてきた。そして、「僕が誠意をもって解決するから、警察に事故報告して救急車に乗れば、あなたも僕も大変なことになるから、絶対大丈夫と言ってください。お願いだから」と、何度も繰り返してて、まあ私自分も確かに脚が痛かったけど、あまりオオゴトにはしたくなかったので、まもなくやってきた救助隊や警察には「大丈夫です」って言って、救急車も返してしまった。それから、あのおじいさんの車に乗って、一緒に図書館に行って、本を返却してもらった。おじいさんは韓国が大好きで、韓国のどこからに来たか聞かれて「ソウルの近くのアニャンっていうところです」って言ったら、「あ、アニャンって、安に養うっていう字じゃないの?」とか言ってて、安養を知ってる人日本人って珍しいので、びっくりした。しかし、それが大変な目の始まりだとは思わなかった。シップを貼れば治るっていいながら、近所の薬局で買ってくるって言いながらも、ずいぶん長く時間がたっても帰ってこなかった。その間、私は自分の家で待っていながら、日本人の友達に交通事故があったことをメールで報告した。やっとシップを買ってきたおじいさんはそれを私にあげながら「これを貼ってゆっくり休んでね。」とばかり行って、さっさと帰ろうとしていた。それで私が、「家にはルームメイトがあるし、寒くて狭いから、今すぐには入れません」って行ったら、「じゃ僕の家に行きましょうか」と、自分の家に私を連れて行ってシップを貼ってくれた。後でメールをもらった友達から電話がかかってきて、救急車に乗らなかったと聞いて、すぐ私のところへ駆けてきた。事故のことにもっと詳しいもう一人の友達と一緒に。私の家の前で、また警察を呼ぼうかどうか4人でもめて、110番してもう一度警察を呼んだが、加害者はあんまりにも強く自分が全部責任をとるって言ってて、また警察を帰らせてしまった。交通事故って、韓国でも遭ったこと全然なかったし、生まれて初めて経験したことなので、何も分からなかった。しかも、外国で起こった事故なので、日本の法律とか全然分からないし。後で、もし事故の後で何かがあったら、警察に事故届けを出さないと加害者に責任を問えないし、病院で受診するときにも健康保険が効かないといわれて、本当に不安におびえた。交通事故って、後遺症が一番大変なのに、もしこれから自分の体調に何かあったらどうしようと、怖くて不安で眠れなかった。(T_T)そして、相手のほうから何を言われたとしても、警察を通じなくて、救急車に乗らなかった自分を何度も何度も責めた。