還暦雲巣管理人独言（還暦を過ぎたウエブマスターの独り言）

　京都市内でカントリー・ミュージックのレコードを取り扱っている店が

なかった頃、東京への出張があると帰りに少しの時間を割いて、渋谷にあ

るカントリーのレコード専門店「ヒルビリー」、この店のオヤジ、テンガ

ロンハットをかぶり、服装は上から下まで、西部劇の映画の画面からその

まま飛び出してきたような格好、店に入ると、そこのオヤジが店の中でい

つもくゆらしているパイプタバコの煙と甘いなんともいえないその香り、

年に１、２度くらいしか行かないから、顔を覚えられていない、チラリと

一瞥しただけで、オレの事など知らん顔で仕事の続き、新譜の所とお目当

てのあーテイストのコーナーで、レコード探し、一巡見終わって欲しいモ

ノが随分沢山ある、買うのはせいぜい１０枚くらい、さあどれにしようか

とタバコを一服しながら思案、迷いに迷ってチョイス、お金を払う時にな

って初めて店のオヤジが口を利く、「マール・ハガートがお好き？」、

「・・・？」、「この前も買ってもらいましたね」、畜生、このオヤジ、

オレのことを覚えてイヤがった、なら店に入った時にお久しぶりとか何と

か挨拶すれば。


　そんな不自由な思いをして買い集めていたが、２０年ほど前にレコード

店、「十字屋」でアルバイトをしていた人が独立してカントリーとブルー

・グラスのレコード専門店、「チェロキー」をオープン、以来、日曜日に

時間が有るとふらりと立ち寄り、新譜を数枚買って、しばらくの間、何人

かの他のお客さんとカントリー談義、１９８９年の夏ごろ、１０月の第３

日曜日に熊本の南阿蘇・グリーンピアの野外ステージ「アスペクタ」で、

「カントリー・ゴールド」というカントリーのイベントへのお誘い、来日

ミュージシャン、ロジャー・ミラー、ビル・モンロー、ワンダ・ジャクソ

ン、マイケル・ジョンソン他、顔ぶれも凄い、店からマイクロバスで観に

行く予定です、まだ席があります、どうですか。


　１０月は会社の決算月と得意先の展示会、毎年、店に貼ってある「カン

トリー・ゴールド」のポスターを観ながら、「行きたいのやけどなァ～、

ことしもあかんわー、いつかキット！」」、毎年同じことを言いながらの

１０数年、４年前に、その「チェロキー」も廃業、「約束に日にあいまし

ょう」の合言葉で１０月の第３日曜日に開催される、「カントリー・ゴー

ルド」に一緒に行く約束を果たせずじまい。


　昨年、行政改革のあおりを受けて、全国にある赤字の「グリーンピア」

を廃止の方針が打ち出され、「カントリー・ゴールド」のステージになる

「アスペクタ」も廃止の予定、第１５回の開催も危ぶまれる事態が発生、

主催者の熊本在住のカントリーミュージシャン、チャーリー・永谷を先頭

に全国のカントリ・ミュージックフアンが、この野外ステージ「アスペク

タ」存続の懸命の署名活動、一応、向こう３年間は存続させるという確約

を熊本県知事から取り付け、昨年は第１５回を無事に開催、そして今年も

「第１６回カントリー・ゴールド」を１０月１７日（１０月の第３日曜日）

の「約束の日」の開催の予定。


　毎年来日するカントリ・ミュージシャンをして、日本にカントリー・ミ

ュージックに適した、良いロケーションの野外ステージがあるなんてと言

わしめる「アスペクタ」の永久存続へ向けての署名活動を継続中。


■「カントリー・ゴールド」の公式サイト■

　　　http://www.countrygold.net/



◆「グリーンピア」、全国１３施設 １０年内に事業全廃◆

　　グリーンピアは１９７２年、当時の田中角栄首相が掲げる「列島改造」

　ブームの中で厚生省が建設計画を立て、８０年代に次々と開業した、

　年金加入者が手軽に利用できる余暇施設を――というのが建設の趣旨で、

　自治体も競って誘致に動いた。高齢化がまだそれほど進んでおらず、

　年金財政は今ほど苦しくなかった。



　　国民が払った年金保険料を使った建設事業費は、１３施設で

　計約１９００億円にものぼる、各施設とも敷地面積は１００万坪

　（３３０ヘクタール）前後と広大だが、交通の不便な場所がほとんど。


　　１３施設のうち４施設は厚生省所管の財団法人「年金保養協会」、

　９施設は地元の自治体に運営を委託している。８つの施設が昨年度末まで

　に累積赤字を抱え、累積赤字の総額は約２１億３６００万円に達した。

　厚生省は今後１０年以内に、事業を全廃する方針。自治体や民間への売却

　を模索しているが、竜地区以外は買い手がいない。


　　今後、たとえ売却できても大きな損失は避けられそうにない。かと言って、

　放置すれば累積赤字が膨らみ、結局は自治体が赤字の穴埋めをせざるを得なく

　なる。どちらにしても、つけは国民の側に回ってくるという大きな問題も

　抱えている施設でも有るが。





■「今日の言葉」■


　　　　「 しかられることを避けていると

　　　　　　　　　　　　　　学ぶべき時を逸してしまう 」