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同業者の遊び仲間だった、「だった」、という過去形になってい るが亡くなった訳ではない、20年ほど前までは同じクレープ肌着 のメーカーで、オレと同じ2代目で、1970年の大阪万博の年を 境目にして、年々クレープ肌着の需要が減少、その打開策として、 クレープ肌着以外の製品開発、ナイトウエアーの生産で売り上げの 2本柱が出来て安定期、彼の会社も同じような悩みを抱えていて、 東京の繊維製品のクリエイターの会社と親密になり、古い伝統的な 繊維の素材を生かして、新しいファッション製品を作る、小千谷ち じみ、鴨島紬、などを使ってファッション製品を作る、ついに京都 のクレープの会社を商社に譲って、その東京の会社の共同経営者に なり、オレもポケットマネーでその会社の株式を投資、1年もしな いうちにその会社が資金繰りが困難に陥り、以後、再三にわたる追 加融資の依頼、友達の限度を超す投資には応じられずに、追加投資 を拒絶、間も無く不渡りを出して倒産、その1ケ月後くらいに、逃 げて、住所を転々、今夜の泊まる場所と食事代をこれから指定する 口座に電信で振り込んでほしい、すぐに銀行に出かけて行き、財布 にあるお金の中から10万円を指定された口座に電信振込み、間も 無く電話がかかってきて、「ありがとう、お金を受け取った、恩に 着るよ、落ち着いたら京都でまた飲もう」、それが最後の電話で、 以後消息不明、その後の行方は誰も知らない。 その彼、オレも酒の肴は要らないほうなのだが、彼はオレ以上 である、ただオレと違うのは店で注文をするのが好きだという事 がある、一緒に飲みだした最初の頃、居酒屋で飲み始めて、次か ら次へと食べ物を注文、狭いカウンターで2人の前に注文をした 食べ物が一杯、肉のたたき、烏賊の刺身、たこブツ、アスパラの バター焼、鰈の焼き物、手羽先のから揚げ、掻き揚げ、小芋の煮 物、これだけが並んでいる、そして2人の酒のあては、オレがブ ルーチーズと玉葱の和え物、彼は烏賊の塩辛、それだけで酒を呑 んでいる、やせこけた偏屈そうな店主が、「早く食べろ!」、と いう目付きで、ちらちらとこちらを睨んでいる、酒の注文はする が、2人とも一向に出された料理を食べない、「食べたら」、「 オレは良いよ、注文したのだから、お前が食べろよ」、次第に険 悪な空気、こういう時に助けの神が居るもので、暖簾の下から店 を覗くと、2人が見えたので店に入ってきた顔なじみ、横に座っ て、「ビール」、すかさずに、「食べ物は注文するな、先にこれ を片付けてくれ」、幸いな事にその彼は食べないと飲めないタイ プ、2人の前にある料理を片っ端から平らげてくれて、尚、「出 汁巻き」、友達は、「そうやこの店の出汁巻きは旨いのや」、「 もう注文はするな、彼の分を一切れもらえ」、以後、彼と飲みに 行く時には注文したものは自分が責任を持って食べる事にしよう と変な約束。 この後はこういう事は無くなった、ただある日の夕方、「今晩 食事に付き合ってほしい」、落ち合う時間と店をきめて、店へ行 くと、「ありがとう来てくれて」、と大いに感謝される、そのわ けを聞いてみると、4、5日前のこの店で飲んでいて、店の大将 と鰻のすき焼きの話になって、予約をもらえるとやりますよ、と いう事で、そこで10人前を予約して店を出る、そこから2、3 軒、ハシゴ酒、翌日には鰻のすき焼きのことなどすっかり忘れ、 そして鰻のすき焼きを予約した日、手帳にはちゃんと書いてある、 「しまった~、誰にも連絡してなったァ~」、という事で必死に なってメンバー9人を集めて、予約をキャンセルする事無く、1 0人でめでたく鰻のすき焼きを食べる事に、オレ会社の帰り道の 途中で、店の前に大きな提灯が、春から夏にかけては、「はも」 と書いた提灯、秋から冬にかけては、「ふぐ」、と書いた提灯、 「はも」、の提灯が出ている間は水割り、「ふぐ」、の提灯が出 ている間はお湯割を飲んで、この店の提灯がその切り替えの目安 となっていた、この話を彼にすると、その店は良く行くというこ とで、一緒する事になった、「はも」、の提灯が出ている季節、 殆ど店では鱧のおとしは仕込みの時間に作っておいて、冷蔵庫に 入れておく、ところがこの店では、注文を聞いてから骨きりをし て、おとしを作る、だから他所の店と違って、鱧の香りと、鱧の 味が格段に違って旨い、裏表を少し火にかけてから骨きりをして、 鱧のたたき、これは余計に鱧の香ばしさが出て旨い、彼が明日は 東京へ出張、「ここの鱧の姿寿司をお土産にしたい」、店の大将 が、「余り早い時間だと無理です」、「午後の新幹線だから昼ご ろにとりに来るは、3本」、「わかりました、作っておきます」、 翌日の午後、彼から新幹線の中より、「出掛けにお客さんが来た りして、バタバタして新幹線に飛び乗って、昨日の鱧の姿寿司、 取りに行くのを忘れていた、支払いは会社に回してくれたら良い ので、現物だけ取りに行ってほしいのでよろしく」、焼鱧の身を 押しつぶした鱧の箱寿司は食っているが、照り焼きにした鱧が1 匹、丸ごと乗っている鱧の姿寿司は初めてで、味よし、香り良し、 今度はオレがお土産にしよう。 彼と食べ物にまつわる話で、夏の夜の8時頃に、「今、明石の フェリー乗り場の食堂に居る、これから瀬戸内海の島に泳ぎに行 くところ、フェリーの時間待ちで店に入って刺身を6人で6人前 注文したところ、活けつくりが6匹も出てきた、すぐに何人か連 れて食べに着てくれ」、「あほ~」、こんな事もあった、食わな い、食えないやつだった。 タバコの大幅値上げの3日目、ただいま午後6時30分、朝か ら20本目のタバコを吸っているところ、午後8時から、近所の ショットバーの5周年記念ライブ、こういう時にはよくタバコを 吸う、だから意識して朝からタバコを吸う本数をセーブ、本日は 後残り20本、本日の喫煙予定本数、アンダー40本死守の予定。 ■「今日の言葉」■ 「 楽なことは明日に延ばしても 苦しい嫌なことは今始めよう 」 (自然社・平成22年・新生活標語より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 3, 2010 06:38:35 PM
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