カテゴリ:とにかく印象が鮮烈☆
学校という場所はやっぱりどこか変です。 特に義務教育の場である小学校や中学校においては…。 義務教育、という言葉を聞いて生徒たちは 「学校とは嫌でも行かねばならない場所」と思ってる子も多いのでは? ここでいう“義務”は 親(大人)たちが子供に教育を受けさせなければならない義務であって、 子供たちからすれば教育を受ける“権利”があるという意味の筈なんだけど。 学校に来ている中学生たちを見ていると 「ここに来てやってるんだ」的オーラをひしひしと感じます。 まるで学校・教室=檻のように感じてるのでしょう。 (かつては柊自身そう思ってたしな。) 全員が全員、そうではないけれど。 たくさん、いろんな人が集まれば集まるほど淀みが出てくるのは 大人の世界も同じで、まして人間形成の途中にある中学生たちが 集まる場所であればそれは避けられないことなのかもしれない。でも…。 日本の平和ボケは、学校の場でも存分に発揮されている。 この温室のどこかに、出口はあるのだろうか-。 (bk1説明文より) 読んでいてどんよりしてしまったのは、ここに描かれている中学校の様子が 柊が毎日足を運んでいる中学校と似たり寄ったり(というより物語の舞台か!?)と 思えたからです。 物語の冒頭のように…プリント類が紙飛行機となって飛び交う様も、タバコの吸殻も 授業を抜け出して放浪して歩く生徒たちも、素行の良くない生徒たちが保健室を 溜まり場にした結果、具合の悪い生徒は職員室で休まなければならないのも、 窓ガラスが定期的に割れるのも、上から物が落ちるのも、非常ベルのいたずらも、 もう何でもありすぎて柊も感覚的に既に麻痺しはじめているかもしれないです。 授業中にも拘らず廊下に響く奇声にも、もはや公然と行われているいじめにも。 考えさせられるとか、問題作であるとか、そういうこと以前に 「これが今の、あるがままの中学校の現実です。」…そういわれている気がしました。 学級崩壊やいじめの問題は取り上げられはじめてもう随分経つのに ちっともなくなる様子はありません。 学校を責めても、親を責めても、何も解決しない…そんなあきらめに似た雰囲気を感じます。 真面目に受け答えすればするほど浮いてしまう、馬鹿をみる、そんな場所では せめて自分を見失わないように、自分はどうしたいのか問い続けることだけが そこを生き抜く唯一の方法に思えます。 そこでは見て見ぬ振りをするのも、正攻法で戦うのも数ある選択肢の一つに過ぎず 必ずどれを選ばなくてはならない、どれが正しい、とは言えない気がします。 (但し、ナイフを持ち出す、相手に怪我を負わせるなどは問題外です) 理屈の上では見ぬ振りするのは悪いことだと言えますが、 そういう怖さを本当の意味で克服できる人ってきっと多くない。 柊は今日、生徒同士の喧嘩めいた場面に遭遇したんですが、 「止めなくちゃ」と思いながらも足が動きませんでした。 巻き添えくって怪我したら…という保身を先ず第一に考えてしまいました。 情けない話です。 教師ではない柊に出来ることといえば、先生に「こういうことがあった」と 報告することだけ。 暴力沙汰になる前におさまってくれたから良かったですが…(良くはないけど) なので柊にはとてもえらそうなことなどいえません。 好きなことを仕事にはしない方がいい、ってよく聞きますが 近頃それを実感します。 今日もまた図書室にて、本を乱雑に置かれるだけならまだしも(?) 棚から落ちた本を蹴ってる姿を目にして、情けなくなりました。 柊は本が好きだから、面白い本を探す手伝いとか出来たらいいなと思ってますが 本を粗雑に扱っているのを目にすると悲しいというか落ち込んでしまって その日一日気が滅入ります。 気持ちを切り替えようと思ってもそうそう割り切れるものでもありません。 これが毎日続くとすべてが惰性になってしまうんだな…なんて。 この本の主人公と同じように、どこかでこの流れを変えなくちゃと思います。 だけど教師でもない自分に、何が出来るだろう…と思うとそこで立ち止まって しまいます。 自分にも失望するし、苦しいです。 (本の感想というより、柊の日々の感想になってしまいました。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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