日本発の円高 進行中
東日本大地震、その後の大津波、福島原発における地政学的リスク、経済減速懸念などから、世界的に株が売られ、国内生保などのレバトリなども手伝って、急速に円高が進行している。ドル円相場は1995年4月以来、15年11ヶ月ぶりに80円を割り込みながら推移している。その当時につけたドル円相場の最安値は79円75銭。 一両日中にも円の史上最高値を更新する勢いだ。このような事故が起こっては、テクニカル分析も意味をなさず、今月の初めに予測したドルスイス相場も、「有事のスイス買い」で、スイス高となっている。 リビア情勢も未だ解決していないものと思われ、予測に反して もうしばらくスイスフランは強含みで推移しそうだ。さて、今の時点で円の最高値を更新してしまうと、仮に今よりももっと事態が深刻化した時にはどこまで円高が進行してしまうのか、若干 心配になる。専門家の話では、70円台前半などと言われているが、そんなことは誰にも分からない。これより先の領域では、ドル円は絶好の買い場であることは間違いないのだが、これからどこまで円高が進行するのか、慎重に見極める必要があるだろう。少なくともこの原発問題が解決し、さらに今月下旬の国内企業のレバトリを確認し、新年度に入るまでは、この相場に手を出してはいけない。