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カテゴリ:TeX/LaTeX関連
前回,Omakeを紹介しました。じつは,前回のエントリを書いた時点で,Omakeを使ってみてました。そこで,今回は簡単な設定と使い方のエントリです。
1.ダウンロードOmakeの公式サイトから最新版をダウンロードします。OSによってダウンロードするファイルが異なりますが,ふミひコはWindows XPの環境で使うために,Windows用のomake-0.9.8.5-2.msiをダウンロードしました。2.インストールダウンロードしたファイルをクリックすれば,インストールウィザードが起動するので,メッセージにしたがって進めていけば,インストールは完了です。ちなみに,コマンドプロンプトで >> omake -v と打ち込むと,バージョン情報とオプションスウィッチの簡単な説明のリストが表示されます。これが表示されなければ,パスがうまく通っていない可能性があるので,環境変数でパスを設定してください。 環境変数名:OMAKE_HOME パス :[Omakeがインストールされているディレクトリ] として, 環境変数名:Path 追加するパス:%OMAKE_HOME%\bin として設定します。すでにPathの設定がある場合には,すでにある設定値の最後に追記します。追記する場合には,設定値と「;」で区切るようにして追記してください。 3.プロジェクトの作成さて,いよいよOmakeの使い方です。これからの内容は,TeX/LaTeXのシステムがインストールされている環境であることを前提とします。プロジェクトファイルの作成については,TeX/LaTeX以外でも同じですが,それ以降はTeX/LaTeXに特化した話題になりますから,注意してください。また,コマンドプロンプトより,「dvipdfmx -vh」で,使用できる紙のサイズのリストが表示されることも確認しておいてください(-vや-hなどのオプションスウィッチがないため,-vhで確認します)。 まず,適当な作業ディレクトリを作成します。たとえば「D:\work\tex」というディレクトリを作成します。これ以降,このディレクトリですべて作業を行います。 このディレクトリに,エディタを使って,テスト用のTeX/LaTeXのソースファイルを作成します。 \documentclass{jarticle} \begin{document} Hello \TeX{}!\par ドン クヌース先生,お元気ですか?\par {\em ここ}は強調されていますが,ここは強調されていません。\par \end{document} という内容を「hoge.tex」という名前で保存します。これで,TeX/LaTeXソースはできました。 こんどは,Omakeのプロジェクトを作成します。 コマンドプロンプトを起動し,「D:\work\tex」ディレクトリに移動します。移動した状態で D:\work\tex>omake --install と打ち込みます。omakeが起動し,OMakerootとOMakefileという二つのファイルを生成します。dirコマンドで,確認してください。この時点で,このディレクトリ内には,hoge.tex,OMakerootとOMakefileという3つのファイルが存在しているはずです。 そこで,エディタでOMakefileを開きます。このファイルにはいろいろな設定のテンプレートが記述されていますが,今回はすべて消去します。そして,以下の設定内容を記述します: LATEX = platex TETEX2_ENABLED = false DVIPDFM = dvipdfmx DVIPDFMFLAGS = -f msembed.map -o hoge.pdf LaTeXDocument(hoge, hoge) .DEFAULT: hoge.pdf hoge.dvi 記述したら,ファイルを保存します。ここで,PDF生成までは必要ないという場合には, LATEX = platex TETEX2_ENABLED = false LaTeXDocument(hoge, hoge) .DEFAULT: hoge.dvi とします。これで,dviだけが生成されます。 コマンドプロンプトで D:\work\tex>omake -P --v erbose と打ち込んで,モニタモードで起動します。起動した直後にいちどコンパイルが実行されますが,それ以後はモニタモードでカレントディレクトリのファイルの状態を監視します。 特にエラーがなければ,上記の設定でdviとPDFがディレクトリに生成されているはずです。エクスプローラで生成されたdviとPDFをクリックして確認してください。エラーがある場合には,エラーメッセージを確認し,ソースファイルを修正して保存してください。保存するとすぐにコンパイルが実行され,dviおよびPDFが再度生成されます。ただし,PDFは開いたままにしておくと再度の生成に失敗するので,保存する前にPDFは閉じておく必要があります。 Omakeを使ったTeX/LaTeXソースファイルからのdvi作成の説明は以上です。 頻繁にTeX/LaTeXを使っていたころは,秀丸+TeXマクロという組み合わせで編集していたので,「編集→保存→コンパイル→編集→保存→…」という流れでdviを作成していましたが,もうコンパイルのためにキーボードからマウスに持ち変える必要がないわけですね! 4.雑感ソースファイルの編集後保存と同時にコンパイルは開始されるのは,非常にありがたいことではあります。しかし,生成されたdviやPDFを視認できるように表示し,再コンパイルするときには,開いているかどうか確認し,開いていたら閉じるというような器用なことができると,さらに使用感は向上すると思います。また,こんなすばらしいプログラムを,いつも使っていて勝手知ったるIDEにプラグインできると,もっと幸せになれたりするなぁ,などと思っています。EclipseにもTeX用プラグインをインストールしたのですが,やはり「保存→コンパイル」rというアクションはついて回っています。「保存 = コンパイル」を実現するために,OmakeのEclispeプラグインを作ってみたいなぁというほのかな妄想も描き始めているふミひコでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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現在、omakeのサイトからwindowsインストーラーがダウンロードできない状態です。他のサイトの方にもお願いしているのですが、それを所有していましたらどこかにアップロードしていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします
(2016.06.26 09:36:39)
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