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February 22, 2004
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 昼食と家事を済ませて、午後から出かけた。 だいたい月に一度、一人でこんな時間を作らせてもらっている。 

 本を読みたいので、電車に乗る。 行き先は決めていないけど、ぼんやりと播州へ行こうと思っていた。 播州といってもどこなのかわからないので、とりあえず播州赤穂を目指してJRに乗る。 座ったとたんに眠くなってすぐに本を閉じてしまった。 

 気がつくと神戸だった。 『神の微笑』の続きを読む。 姫路を過ぎて、終着駅の網干で電車を降りる。 ホームに生暖かい風が吹いていた。 横殴りの雨と人ごみに少し気分が悪くなった。 人ごみを避けるために、遠くまできたのに、思いがけず大勢の人がいてローカル線に座れそうもない。 播州赤穂へ行くのはやめて、引き返すことにする。 
 
 網干から大阪へ向う電車に座り『神の微笑』第7章を読んでいると、播州のおやさんは、三木市の井田国子さんだと書いてあるではないか。 『人間の運命』にも、「播州のおやさん」という言い方ではなく、「三木市の井田国子」さんという風に書かれていた箇所があったに違いない。 実は、先月も播州赤穂へ行ったのだけれど、そのとき何度も三木市へ行かなければならないような気がしてならなかったが、謎がとけた。 先月は、『人間の運命』を読みながら、東京から播州のおやさんに毎月6日に会いに来ていた次郎の兄と同じ旅程を楽しみたかったのである。 でも三木市のことが気になって、その日の夜、インターネットで朝日神社のことを知った。 

 姫路で降りて、駅員さんに尋ねると、三木市へ行くには姫路から4駅先の加古川で乗り換えだという。 加古川行きの普通電車に乗り、本を読みかけると、引き込まれてしまった。ふと顔を上げるとすっかり空は晴れて、夕焼け空が見える。 車内も人がまばらにしかいなくて静かだった。 また本に目を落としたとたん、目にゴミが入ってあまりの痛さに本を閉じる。 目をこすっていると「次は加古川」という車内放送があったので、乗り過ごさずに下車する。 ローカル線に乗り、厄神で下車すると、今度は三木鉄道に乗り換えである。 三木鉄道は1車輌だけの小さな電車だった。 バスのように回数券を取って下車する前に賃金を払う。 

 終点の三木に着いたのは、午後6時過ぎだった。 親切な駅員さんに道を教わって、朝日神社へ向いながら、私は今何をしているのだろう?と不思議な気持ちになってしまった。 「ま、これも私の好奇心の成せる業か」と、思うと楽しくなって風がびゅんびゅん吹いている民家の脇の小道をいそいそと歩いた。 

 朝日神社と思われる門の前にきたとたん、少し不安になってしまった。 それまで止んでいた雨が勢いよく降ってきて、お社の玄関の前で雨宿りしなければならなくなってしまったのだ。 玄関の鍵は閉まっていたから、しかたなく、断りもせずに張り出した軒下にある茶椅子に腰かけた。 誰もいなかった。 玄関の明かりが煌々としていて、桜の木の固いつぼみが風にゆれていた。 表札を見ると、「朝日神社 井出家」と書かれていた。 

 放心状態でぼけっとしていると、風のひゅーひゅーという音や、時々どこかの戸がギーギーと軋む音にもっと不安になってきた。 いつまで降るんだろうか、この雨は。

 電車の時間まで本の続きを読むことにした。 内容は頭に入ってこず、赤衣の老女のことばかり考えているのに、私は今、播州のおやさんのところに来ているのだ、という思いがしてならなかった。 『教祖様』には播州のおやさんのことは触れられていない。

 だんだん落ち着いてきて、お社の玄関の鍵がかかっていてよかったと思えてきた。 井出国子という人に神は降りたが、もうその人がここにいるはずもないのだし、だからこそ神社の閉まっているであろう時間にこっそりと来たのではないか、次郎の兄の旅程を十分に楽しんだではないか、と。

 風雨はやまず、びしょ濡れになりながら、駅に戻った。 再び三木鉄道に乗り、本を読み始めた。 167ページを読み終えて顔を上げると、三木鉄道の電車の窓に叩きつける雨が、まるで泣いているかのように流れていた。 「将来、井出国子のことは絶対に口にしないことを、強制的に約束させられた。あの井出国子は天理教の三十年祭の時に、神が表に表れるという予言を実現するために、存命のみきの依頼によって、みきに代って、親神のおもわくを伝え、天理教という宗教団体の改革をはかられたのを、真柱は教団邪魔者として排撃したのだった。」と書かれていた。

 『人間の運命』『教祖様』『神の微笑』を通して、神の教えと、教団あるいは教団を司る偉い人たちの間には深くて悲しい溝が、作られてしまうものなのかと考えてしまう。 溝を作ってしまった偉い人たちだって、教団という組織がなかったならば、組織を維持することや色々なことに縛られず、教えに純粋に生きることもできたのではないだろうか。 こんな風に書くのは、私があくまで一読者として感じたことであって、批判とか肯定を意味するものでは一切ない。 それにまだ、最後まで読み終わってはいないのだし、読み終えたときには、今とは違う考えになっているかもしれない。

 今日は、播州への読書旅行を満喫した♪





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Last updated  February 23, 2004 08:05:55 PM
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