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昼休み、会社にて。 「今は何を読んでいるの?」と聞かれて、読みさしの『巴里に死す』を鞄から出す。 あまり言葉を交わすことがなかったが、お互いが留学していた頃の話とか、若い頃の勤務先に共通点を見つけて、初対面から何か親しみを感じるような、先輩がいる。 その先輩は、若い頃パリに留学してこともあり、この本に関心を持ったようだ。 思い切って森有正のことを知っているかと尋ねると、「知っているどころか、大好き」なのだそうで、当時、ソルボンヌ大学付近に、わざわざ下宿先を探したのも、森有正を近くに感じたかったからだったし、その近くに、中華料理店があって、友人から「この店は森有正が好んで来ていた店だ」と聞かされて本当にうれしくなったものだと教えてくれた。 どうすれば、あんなに美しい文章が書けるのだろうか、という話から、須賀 敦子や三島由紀夫、オスカー・ワイルドなどの話になった。 そして、先輩の祖父の書斎に、いろいろな宗教に関する本がたくさんあって、キリスト教、天理教、金光教などの本を、幼い頃から読んでいた、と話すのを、私は内心驚きながら聞いていた。 『巴里に死す』が、森有正によりフランス語で翻訳され、パリで刊行されたことを話したけれど、先輩は芹沢光治良のことを知らないようだった。 偶然と必然の間のような出来事。 こんなことがあるから、人生はおもしろい。 眠すぎるので、寝る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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