カテゴリ:ヒラカワの日常
仕事帰りに
久しぶりに広尾のカフェ・デプレをのぞくと 店は改造され、店名も変わっていた。 俺としては、以前のパリのカフェ風の方がよかった。 汚れた壁と、踏み込まれた木製の床。 美しい汚れと、ニュアンスに満ちた空間だった。 どうして、どこにでもある、ぴかぴかの今風カフェに 変えてしまうんだろう。 俺の勝手な失望を味わいつつ 新しいメニューのンバーガーを食べる。 コーヒーを飲みながら、 『僕の叔父さん網野善彦』@中沢新一を読んでいると 携帯電話が鳴る。 アゲイン店主のイシカワくんである。 「あのさ、すぐ来てよ。 新しいメニューを食べてもらいたいんだよ」 口をもぐもぐさせながら勘定を済ませて そのまま武蔵小山へ向かう。 武蔵小山は個人商店の最後の砦である。 アゲインの階段を下りると 壁に、これまでのイベントの写真が飾ってある。 ウチダくんとやった「東京ファイティングキッズトークイベント」も あった。 あいさつもそこそこに 新メニューが出てきた。 「おから蒟蒻カレー」である。 見たところは通常のキーマカレーであり、 ひき肉がいっぱい入っているように見えるのだが これが、おから蒟蒻なのである。 食感もほとんどひき肉である。 「うまいね」 「じゃ、アゲインカレーでいいかな」 「いいんじゃないの。ダイエットにもいいし」 ということで、合格である。 この出来たてのアゲインの天井や、壁が 紫煙で黄色くなり、手垢が光沢となり どこにもない魅力的な地下室になるまで 何年かかるのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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