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カフェ・ヒラカワ店主軽薄

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2007.09.28
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カテゴリ:ヒラカワの日常
ラジオデイズの、『今月の顔』三名が替わった。
関川夏央、柳家喜多八、高橋源一郎。
俺にとっては垂涎の顔ぶれである。
高橋さんに関しては
サイトのコラム欄に、「そして、言葉が紡がれる」という
フェリーニの映画タイトルのような小文を書いたので、
お読みください。

関川さんには、映画『張込み』に触発されて書いた『夜行急行列車「西鹿児島行」』
という名エッセイがある。
このエッセイを聞いていると、西鹿児島へ向かうランニングシャツ姿の
ふたりの刑事の顔が浮かんでくる。大木実と宮口精二。
『七人の侍』の無口、一徹、男は黙って口真一文字
の久蔵役も良かったが、俺は『張込み』のすこし疲労感の残る
ベテラン刑事の宮口が、かれの一番の当たり役だろうとおもう。
昭和六十年代の日本には、
こういう顔をして、黙々と与えられた仕事に打ち込む男がたくさんいた。
そう思わせてくれるところが、宮口の存在感の確かさである。
いぶし銀とは、この俳優に与えられる敬称である。
この映画をじっと見つめていた作家がいた。
それが、昭和という時代、近代化してゆく日本の姿に強い関心を寄せる
関川夏央という作家である。
この作品は、どのような声で読まれるべきか。
俺と、同僚のプロデューサー菊地史彦は
何十人かの声優の声を聞き比べ、思案し、そして
最後に、ひとりを選んだのである。
真夏の太陽が照りつける渋谷のスタジオで収録されたこの音が、
ラジオデイズの最初の作品となった。

そして、「話芸の街」には、待望の
現代落語の天才、柳家喬太郎の作品がアップされた。
喬太郎は、間違いなく、現代落語会の最高点に到達しており、
どんな噺をやらせても、驚くべき水準をキープし続けてきている。
俺は、喬太郎のCD音源は全て購入しているし、これからも
購入し続けるだろう。
今回アップした二作品は、なかでも特筆すべきもので、
俺は歴史的な名演であると思っている。
二作品は、『いし』と『怪談のりうつり』で、
それぞれ別々の作品なのだが、
上記の順番でお聞きいただきたいのである。
後者のあるところまで来たときに、俺は思わず「すごいな」と
呟いてしまった。
その詳細を説明することはできないが、
大笑いしている俺の背筋に思わず、言霊の芸というものの
衝撃が走ったように思う。
「喬太郎と同じ時代に生きていることができて
幸せである」と漱石のように呟きたい気持ちにさせられる二席である。

なんか、宣伝ばかりして、
お前はラジオデイズの回し者かと言われそうだが、
おっしゃるとおり、「回し者」なのである。
どうか、ご容赦願いたい。
でも、とにかく騙されたと思って、
一度、喬太郎落語をお聞きください。
後悔はさせないって。





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最終更新日  2007.09.28 14:34:34
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