西川貴教の歌唱について
ということで、少し語ってみようかと思う。ボウリング日記サイトではないのだからw今日は、彼の歌唱力や歌唱の特徴について述べてみようと思う。まず、「音域が広い。」僕が確認した範囲だと、下はmid1C、高いほうはhiDまで曲中で発声をしている。テクニックのあるヴォーカリストは、胸に響きがある低音域のチェストヴォイスと頭に響きがある高音域のヘッドヴォイスの間に、ミドルヴォイスという中音域を発声し、その三種の声をうまく繋いで発声する。各種の声を巧く発声し、なおかつその三種の声を段差無くグラデーションのようにうまく繋ぐことが出来ると、あたかも地声のままで高い声を出しているように聞こえる。この区分けされた声を融合することを、「voice mix」という。西川はこのvoice mixが完璧に近い。彼は声帯に慢性的なポリープを持っていて、疲れがたまると、たまにこれが崩れてしまうが。彼の場合だと、その最高音hiDはもちろんヘッドヴォイスだ。しかし、発声と接続が上手く、それが地声に聞こえてしまう。ちなみにこの高音が使われているのは、5thアルバムの「progress」に収録されている「Master Feel Sad」だけだ。一聴の価値あり。(裏声ではないんです、これ)さて、特徴その二。「ビブラート」これは人、好きずきだと思うwサイト開設のときにも書いたが、ねばっこい。そして、ひとつひとつの波の感覚が狭く、速い。しかし、一度聴いたら忘れない、胸をも揺さぶる個性がある。そんな彼も、自身が1991年にデビューしたバンド「ルイマリー」のヴォーカルだった時には、ほとんどビブラートが使えなかった。(「使わなかった」ということは考えにくい。)そこらへんは定かではないが、それから15年かけて、自分の歌唱を構築してきた。相当の努力があったのだろう。さて、三つ目。「音を上から取ること」歌手は普通、出したい音を下から当てることが多い。音を外す時も、下に外す人がほとんどだ。が、彼は違う。CDでは楽譜に忠実に歌っているが、TVやライヴでは、音を上から取るクセがある。最近リリースされたvestigeを歌っているところを番組などで見た方はお気づきになったと思うが、サビのロングトーンは大体「半音/2」くらいわずかに上ずっている。しかし、それがまたファンにはたまらなくカッコよく、ひどくアツイのであるw個人的な考えで言わせてもらえば、彼は、日本ではトップクラスのボーカリストだと思う。もちろん、人それぞれに好みはあるだろう。特に彼の場合、そのほかにも強い特徴として語尾のしゃくりあげがある。これらがぜ~んぶ好きな人は、多分、すでに西川の虜だろうwそれぐらい、好きな人は好きだ。彼の歌には力があると思う。人には好みがある。嫌いな人は、嫌いかもしれない。でも、好かれるか嫌われるかはまず置いておいて、堂々とした自分の生き方、やり方を見せるのは大事だ。嫌われることを恐れていたらきっと賛同者も現れない。西川は前、ラジオでこんなことを言っていた。「自分はこういう人間です。とすべてをまず見せる。こんな僕に対して、あなたはどう感じますか?そういう生き方しかできない」素晴らしいと思った。「裸になって自分をさらけ出す」なんて男らしいんだこの人は、と。西川の歌を聴くと、いつもこの言葉が思い出される。僕は、この彼の確固たる「生き方」が、彼の歌を支えているんではないだろうか。そんなことを考えながら、HIROは今日もvestigeを聴くのであった...。