【保存版】観光客が冬の北海道を安全にドライブするコツ
冬の雪が降るころに北海道に行く人、雪道の運転経験はありますか。雪道の運転経験がない人には、ぜひこの記事を読んでほしいです。 冬の北海道、ウィンタースポーツにクルマで行かれる方も多いと思います。僕はウィンタースポーツをしたことがありませんが、雪が大好きなので、雪が降る時期を選んでよく行きます。今回は、僕が第3のふるさと北海道で雪道をドライブした経験から、観光客がドライブを安全に楽しむコツを教えます。 この記事を読んでほしい方北海道民ではなく雪道の運転経験がないけど、仲間どうしでスノボに行こうと思っている方雪が降ると怖くてクルマに乗れない方 この記事を書いている僕の経験値雪の時期の北海道旅行2回(アイスバーンやホワイトアウトの運転経験あり)北海道以外にも、草津、水上、地元での雪道ドライブ経験多数 この記事を読むメリット雪道ドライブを安全にドライブできるようになります。 【保存版】観光客が冬の北海道を安全にドライブするコツ【冬の運転が危険な理由】冬ドライブの危険アイスバーンホワイトアウトクルマ自体が凍る 冬の北海道ドライブで気を付けなければならないことは、大きく分けてアイスバーンとホワイトアウトの2つです。なぜ気を付けなければいけないのか、その危険性を考えてみましょう。 アイスバーンが危険な理由デコボコの状態で凍っていると、ハンドルを取られる。いちど滑りはじめると、アクセルもブレーキもハンドルも効かず、そのまま真っすぐ滑っていく。道が濡れているだけだと思ったらアイスバーンだった、ということがある(ブラックアイスバーン) ブラックアイスバーンは、雪道に慣れている地元のドライバーでも気づかずに事故に遭ってしまうことがあります。 なぜ地元のドライバーでも事故に遭ってしまうのでしょうか。 道路が濡れている状態って、路面が黒く見えますよね。ブラックアイスバーンの状態でも黒く見えます。地元のドライバーでも、濡れているのか凍っているのか区別がつかないんです。 運転免許を取るときに教習所で教わった方も多いと思いますが、「ヒューマンエラーの3分類」は、認知 → 判断 → 行動といわれています。認知:危険を察知すること → 「危ない!」判断:迫りくる危険に対してどう対処するか判断すること → 「スピードを落とそう!」(緊急時は無意識)行動:判断したことを行動に移すこと → ブレーキを踏む つまり、ブラックアイスバーンはそもそも気づきにくいので、最初の認知の段階でエラーを起こしてしまうのです。 認知が遅れる → 判断が遅れる → 行動が遅れる という負のスパイラルで対応が間に合わなくなります。そして、滑ってしまうと、コントロールが効かなくなり、あとは運を天に任せるしかないのです。 JAFのホームページ(末尾にリンクを貼っておきますので参考に読んでください)に、濡れた路面とブラックアイスバーンを並べた写真があります。太陽に向かって走っているときは、光が路面に反射して、さらに見えなくなります。 ちょっと小むずかしい話を「さらに詳しく」の枠に書きます。「むずかしい話は聞きたくない」という方は枠をとばして次の項目へお進みください。【さらに詳しく】スリップしている状態というのは、タイヤと路面との間のミュー(摩擦力)が著しく低下して、タイヤがグリップ(タイヤが路面を掴んでいる状態)を失った状態です。例えるなら、宇宙空間で隕石が飛んでいて、外側から止める力が加わる(摩擦力、何かにぶつかる)までずっと同じスピードでまっすぐ飛んでいく、等速直線運動のような状態です。 クルマの場合は、摩擦力はゼロではないので、いつかは止まります。「いつか」というのは、初速度(滑り始めたときのスピード)によります。初速度が速いと、スピードがゼロになるまでの時間がかかりますから、その分長い距離を滑ります。 自分が安全に走っていても、他のクルマが滑ってぶつかってくることもあります。いつでも対処できるように、スピードを落としてタイヤの滑りぐあいを感じながら走りましょう。 ホワイトアウトが危険な理由 ホワイトアウトはなぜ危険なのでしょうか。それは、前を走っている車が見えない道路の端が見えないからです。下の写真は、僕が2017年の12月下旬に旭川に行ったときのものです。 粒子の細かいパウダースノーが風に舞って、目の前は真っ白になります。風の強さは刻々と変わるので、強風が吹くと5メートル先のクルマも見えなくなります。 写真のときは、バスが僕の前を走っていたのですが、バスの上の方2割ぐらいしか見えませんでした。しかし、見えただけマシです。 前のクルマが見えないことも怖いですが、もう一つ怖いのは、道路の端が見えないことです。対向車が来なければ真ん中を走っていればよいのですが、対向車が来たときは左に寄らなければなりません。そのとき、道路の端が見えないと、雪かきをして積んである山にぶつかってしまうかも知れません。 北海道には、道路の端を示す下向き矢印の標識がありますが、その下に雪かきで積まれた雪が山になっていることが少なくありません。上の写真のような状況では矢印が役に立ちません。とにかくスピードを落とすしかありません。 幸い、何事もなくレンタカーを返却することができましたが、死ぬ思いでした。ドっと疲れましたよ。記事のテーマから逸れますが、死ぬ思いで空港まで行ったら、結局飛行機が欠航になりまして、もう一泊することになりました。 観光客が冬の北海道を安全にドライブするコツ気を引き締めて適度にビビる=スピードを抑える「急」の付く運転をしない=小刻みにコントロールする周りのクルマに注意する 気を引き締めて適度にビビる=スピードを抑える僕も初めて冬の北海道をドライブするときは相当ビビりました。レンタカーを借りるとき、「雪道は大丈夫ですか」と聞かれます。「大丈夫です」といいながら、僕も最初は怖かったです。特に、レンタカーは基本的に初めて運転するクルマですよね。アクセル・ブレーキの感覚、操作感の違いで、乗ってすぐには普通の路面を運転するのも慣れません。 慣れるまでは特にビビって走りましょう。ずっとビビっていても肩が凝ってしまいますが、適度に休憩を入れて、適度にビビって神経を研ぎ澄ましましょう。 「急」の付く運転をしない「急」の付く運転急加速急ハンドル急ブレーキ これは誰もが知っている言い古された言葉ですが、言い古された言葉だからこそ重要なんです。 地元ドライバーの運転から学ぶ ある冬、札幌駅から遠いホテルに泊まったことがあります(詳しくは下の記事をお読みください)。その冬は雪が多く、札幌もアイスバーンになっていました。 「地元のプロのドライバーはどういう運転をするんだろう>?」と思った僕は、運転士のすぐうしろに座って観察しました。 観光バスサイズのシャトルバスでしたが、そんな重いバスでも、滑りながら走っているではないですか。正確にいうと、微妙に滑りながら微妙にコントロールしていたのです。 つまり、アクセル、ブレーキ、ハンドルを大きく動かすことなく、小刻みにコントロールするということです。 僕はそのとき察しました。「滑っていいんだ!」 まったく滑ってはいけないと思ってガチガチになっていたので、それで自信が付いて、リラックスして運転できるようになりました。まったく滑ってはいけないのではなくて、滑って当たり前なんです。滑るんです!要するに、滑りが大きくならないように、小刻みな運転をすればいいのです。 でも過信は禁物ですよ! まとめ 非常に長い記事になってしまいましたが、読者にできるだけわかりやすくお伝えするように努めました。最後に、上に書いたことをひとことでまとめるなら、スピードを抑えるということに尽きてしまいます。こんなことは、どこでも言われることだと思いますが、特に冬の北海道では、基本に忠実に走ることが重要です。慣れてきても決して過信しないでください。 雪道ドライブに欠かせないアイテムとして、高性能のスタッドレスタイヤがあります。レンタカーの場合は自分で用意できませんが、僕が今まで冬の北海道で借りた経験では、高性能のスタッドレスタイヤを履いていましたので安心してください。ちなみに、銘柄はBRIDGESTONEのBLIZZAKでした。 最後までお読みいただきありがとうございました。 JAFホームページ