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アントレプレナー塾長 「大人の探検隊日誌」 夢のソーシャル・アントレプレナー            

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2008.10.11
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カテゴリ:人生論

買い手よし、売りてよし、社会よしの三方よしのよいコトnetの例会が始まった。

 親友のK氏が昨晩報告をはじめた。

   私の友達の歯科医がいます。

   彼は難病にかかりました。

   ありとあらゆる治療法を試しました。しかしどこも思った効果が出ない。

   もうだめかと絶望の日々が続いた。奥さんが必死に支えたが、歯科医から

   かつての笑顔が消えていった。なによりもK氏が寂しかったのは、輝きのない

   目と無表情でした・・・・・

   だからそんな彼を何とか昔に戻そうと私は決めました・・・・・・ 

 

   ちょっと話を前に戻そう。

 

   何とか一命を取りとめるも、麻痺が進行し歩行が不自由となった。

   そんな彼を私が事務局を務める銀座共鳴館に連れてきたいという。

   共鳴館館長も快諾してくれた。

 

   歯科医の表情は硬かった。会の途中で出て行った。

 

   やはりだめか、何で無理に連れてきたのだろうかと親友のK氏は悩んだ。

   俺の想いは、彼にはかえって迷惑なのか・・・・・・・

   ただ親友は彼に笑顔と生きる希望を取り戻してもらいたかったのだ。

 

   しかし一ヵ月後の共鳴館にも足を引きずりながら、そして妻に支えられながら

   無表情のまままた来た。そしてその次も。

   さらに終了後のパーティで口を開いた。

 

   不自由な身になって一番困ったのが、ズボンの上げ下ろし。

   一人でトイレもままならない。ダンディな彼は仕方なく地方の衣料スーパーで

   千円で売っているようなゴムの入ったずれ落ちないズボンをはくようになった。

   必要に駆られデザインもセンスもないズボンをはいていると生きる気力も

   湧いてこなかった。

 

   そんな彼を見ていて元編集者をやっていた奥様が立ち上がった。

   同じような身体が不自由な人を助けよう。

   今まではいていたかつてのズボンに簡単にゴムを取り付けるだけで、

   ずれ落ちないズボンにするキットを販売しようと。 

 

   その話を聞いて心友のH社長が動いた。

   僕達のやっている三方よしのビジネスユニット「よいコトnet」で相談に乗りましょう。

   商品現物とどういう販売方法をしたいのかが前回の例会にかかった。

 

   歯科医の想いはひしひしと伝わってきたが、このままではビジネスには難しい

   現実があった。

 

   メンバーからゴムひもキットだけでは商売は難しいとの指摘とともに、アイディアも出  た。

 

   私が心の師匠と仰ぐ館長からすばらしい一言が飛び出した。

   ズボンにゴムキットをつけるのではなく、ゴムでベルトを作ってしまっては・・・

 

  結局、このままでは無理とのコトと、議論されたいろいろな方向性が心友K氏を

  通じて歯科医夫妻にフィードバックされた。

 

  心友H氏は、障害者向けの展示会がありますよといろいろ気遣った。

 

  そんなH氏に歯科医の奥様から丁寧なお礼の手紙が届いた。

 

  うちの主人は病気にかかるまで、それは患者さん思いの歯科医でした。

  いつも患者を気にかけて、安くするのならこういう方法もありますよと患者の

  立場に立った治療法を貫いた。

 

  しかし一時は生きる気力をなくしました。

 

  でも同じ境遇の人たちを助けようと生きる気力が出てきました。

  みなさんのおかげで目が輝いてきました。

  リハビリにも真剣に取り組むようになりました。

  本当にありがとうごじざいます。

 

  その手紙の内容をH君が読み終わると、例会の雰囲気シーンとが変わった。

 

  そして次から次へと、アイディアが飛び出した。

  ここをこうすればいいんじゃないか。

  縫い物は得意だから、僕が試作品を作って歯科医医師に渡しましょう

  と心友K氏が言った。

 

  メンバーの目が輝いた。

  誰の目にも、体の不自由な人が今まではいていたしゃれなズボンを笑顔で

  着ているシーンが目に浮かんだ。

 

  その後の酒は美味かった。

 

  心のリレーが次から次に広がっていった 

 

  はやく歯科医夫妻の夢がはやく叶うといいなぁ。

  昨晩の酒の味は心にしみた・・・・・・・ 

 






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Last updated  2008.10.12 19:17:26
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