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カテゴリ:出張の達人
大阪で仕事が終わり、広島に向かった。 大阪で仲間と別れ、一人出張である。 早朝からの会議に出席するためだ。
広島に夕方に到着するが、一人で何をしよう。 ホテルにすぐ入るのは味気ない。
何を食べよう。 お好み焼き?牡蠣尽くし?瀬戸内の新鮮魚介類・・・
広島駅を出ずに在来線に乗り換えた。山陽本線で宮島口に向かう。 生憎の雨だ。お目当てはここでしか売っていない駅弁である。
そうである。あの駅弁界の重鎮、あなごめしである。
しかし、人生ままならない。 JR宮島口の駅弁はすべて売り切れ。
雨の中、本店まで歩いていこう。こうなれば執念だ。
本店、「うえの」は凄かった。
風格の中に凛とした輝きがあった。 創業明治30年。歴史の重みが違う。 レトロな包み紙。しっかりとした折り詰めだ。
いまどき珍しい拍子木の折り詰め。ごはんの湿気をほどよく拍子木 が吸ってくれる。だからごはんがいつまでも美味しいのだ。
あなごの骨と頭でとった出汁で炊き込んだごはん。 何代も継ぎ足したタレで煮込んだふっくらアナゴ。 アナゴは無論、瀬戸内の近海物だけだ。
あなごは焼き色がしっかりついている。 一口サイズにびっしりと埋め尽くされている。
冷えてもこれだけご飯がおいしいのはもち米も混ぜているのであろう。 発売から一世紀を経た変わらぬ味の重みに、圧倒された。 感激した。
私が食べた駅弁史に残る正真正銘の逸品である。
姫路の蛸飯もうまかったが83点。このあなご飯は200点だ。 それほどに美味しいのだ。
レトロな包み紙と箸入れにはこう書いてある。
「早朝の船の上、漁を終えた漁師たちが獲れたてのあなごをさばいて焼き上げた 昔のことなど想いながら箸を持っていただければ幸甚に存じます」
そして最後に、
「先代から受け継いだ心と味を育てながら うえの」
どぅです。広島に来られたらちょっと足を伸ばして宮島口へ、 そしてうえののあなごめしをお召し上がり下さい。
むかしの味がよみがえってきますよ。
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