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2009.11.27
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テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:★★★★★な本



そうか、あなたがいたんだ。迷っても、つまずいても、泣きそうでも。人生って、そう悪くない。「女どうし」を描く六つの物語。





<感想> ★★★★★

マーケティングという言葉があります。 どんな人たちに訴えかければ

商品が最も売れるのか? 本。とりわけ文芸書に関して言うなら、20

~40代の女性と団塊世代になるのではないかと思います。 もちろん

読者は幅広い層に分布していますが、それが消費行動(出版社の儲け)

に結びつく人たちは限られています。 それを踏まえるなら西加奈子

いう作家は、その最前線にいる一人です。


さて、デビュー作の『あおい』こそ、ちょっとトンガっていましたが、西加奈

さんは恋愛モノより、人情モノを得意としているように思います。 人

情モノと言っても、従来の演歌系ではなく、市場を意識したポップス系。 

友人同士や家族間で生じるであろう機微をユーモアを交えながらリアル

に描いていきます。 主人公の女性たちは、寒さを堪えながらセーター

を編んで
いませんが、泣きどころはしっかり抑えている。 それは、この

作品集のコンセプトとも重なります。 


好むと好まざるに関わらず、片意地を張って生きている女性が素直にな

る瞬間を描くさまが秀逸で、それが押し付けがましくない泣きどころにな

っています。
 

そこまで歌って、やめた。 私の目に、母の字が、飛び込んできた、

「ナベ」「しょっき」「ヤカンナド」

大きな大きな、ダンボールからはみ出してしまいそうな字だった。

その字を見ていたら、泣けてきた。

なんて大きな字、子供みたいな。 そう思って、笑いながら、泣いた。 

その涙はとても熱く、じわじわと体の奥から湧き出してきて、決して、

決して止まらなかった。
(『シャワーキャップ』)


↑もう、このあたりは、オッサンも泣きましたが、全米が泣いた!!状態

です。 


今年読んだ、短編集の中ではピカイチでした。 

猫がお好きな方には、表題作がおススメです。







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最終更新日  2009.11.29 06:08:57
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