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2010.01.17
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カテゴリ:★★★★★な本
合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則─弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。久保史恵─東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。加藤裕也─暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。堀部妙子─スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。山本順一─もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。


<感想> ★★★★★

本書は奥田英朗さんの最新刊です。 さまざまなジャンルを手がける著者

ですが、この作品は出世作である『最悪』の形式を用いた群像劇で、時間

軸と舞台を共有した主人公たちの独立した物語が平行して描かれていき

ます。


さて、本書の魅力はなんといっても巧みな構成です。 5人というメインキャ

ラクターを配しながらも、破綻することなく読者を引っ張っていく奥田さんの

圧倒的な構成力には、ただただ平伏すばかりです。 


さらに言うなら、舞台やキャラクターのリアル感があります。 地方の市町村

合併で誕生したゆめのという町と、そこで暮らす主人公たちを客観的に捉え

るなら、構造改革が生み出した競争社会からの「落ちこぼれ」と定義するこ

とが出来ます。 しかし、他人から押し付けられた「無理」を断る勇気や、自

分以外の他人にそれを押し付けるほどの狡猾さを持たないがゆえに、追い

詰められ、転落していく彼(女)らの人間臭さを否定することができません。

むしろ、自分を重ね合わせることはそれほど難しくはないように思います。 


あちこちで「ダークで気が滅入る」という感想を目にしました。 ラストは、救

いや大団円を求める方にとっては不満が残るかもしれません。 しかし、全

体の筆致がそれほど重くないせいか、なんとなく彼(女)らは、今後もたくま

しく生きていくのではないだろうか?という読後感を得ました。 


ちょっと甘いですかね・・

でも、そうあって欲しいじゃないですか。





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最終更新日  2010.01.17 16:16:15
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