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2010.02.28
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テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:★★★★★な本


レトロな下宿、真綿荘に集う人々の恋はどこかいびつで滑稽で切ない……。不器用な恋人達、不道徳な純愛など様々なかたちを描く。




<感想> ★★★★★

本書は島本理生さんの最新刊です。 真綿荘という下宿を舞台にした

連作短編ですが、本書では連作短編の基本である人称の統一を意識

的に無視しています。 それを面白いと感じるか、煩わしいと感じるか

によって評価が分かれるように思います。


さて、読み始めの第一章「青少年のための手引き」は上京する18歳の

大和君を主人公に据えて、読みやすいつくりになっています。 私の世

代で下宿の物語といえば『めぞん一刻』ですが、そんな雰囲気の作風だ

と思っていると・・・・。 


メインキャラクターは、18歳の男子大学生から30代半と思われる女性

で、章を重ねるたびに深みを増していきます。 中盤に用意されている

「シスター」「海へ向かう魚たち」
の二編がもっともオーソドックスな恋愛

小説に仕上がっていますが、著者の真骨頂は最終章の「真綿荘の恋人

たち」
であろうと思います。


ここで、展開する綿貫さんの恋愛模様はいびつです。 『あなたの呼吸が

止まるまで』
『大きな熊が来る前に、おやすみ』と同じ底流をなしています

が、島本作品で30代の女性をメインキャラクターに持ってくるのは初め

てのことではないでしょうか?ここで語られる特殊な恋愛観や、無作為の

作為を客観的に描くさまは、島本理生という作家にとって重要な通過点に

なるのではないかと思います。


通過点といえば、中年男性の一人称で語られる「押入れの傍観者」は、新

境地的な位置づけができると思います。 読書メーターの感想に「桜庭

一樹がややマイルドになった感じ。」
とお書きになっている方がいらっ

しゃいましたが、フムフムと肯いてしまいました。


島本理生公式ブログ

↑今度は期間限定ではないようです。








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最終更新日  2010.02.28 20:27:27
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