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2010.03.21
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テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:★★★★★な本
“30歳”という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。少しずつ隔たってきた互いの人生が、重なることはもうないと思っていた。あの“殺人事件”が起こるまでは…。辻村深月が29歳の“いま”だからこそ描く、感動の長編書き下ろし作品。


<感想> ★★★★★

ベテランと常連が顔を揃えた今回の直木賞で異彩を放っていたの

が、本書でノミネートされていた辻村深月さんです。 結果はベテラ

ンお二人の受賞となりましたが、もっとも注目を集めていたのは辻

村深月さんだったような気がします。 実際に読んでみると、この

作品で一発授賞もアリだったのではないかという気にさせられます。

三時間で一気に読んでしまいました。


さて、本書はフリーライターの主人公が、母親を殺害したのち消息

不明になってしまった友人の足跡を辿るという筋立てです。 ミス

テリーを連想される方も多いと思いますが、30歳直前の女性たち

の関係性を描く作品だと言えます。 


関係性とは即ち繋がりです。 女性同士の繋がり。 母親との繋

がり。 地域との繋がり。 いずれもパーフェクトに描かれています。  

女性同士の繋がりをさらに掘り下げるとするなら、立場や考え方の

違う女性同士との軋轢があります。 この作品でもそこに力点を置

いているわけですが、従来の「女ってコワい」で引っ張っていきな

がらも、その背景にある「女の息苦しさ」が見事に描かれています。 


多彩なキャラクターが配されているので、読者はその中に自らの欠

片(カケラ)を見出すことができると思います。 そのあたりを痛いと

感じてしまうかもしれませんが、それをリアルと言い換えることもで

きます。 


リアルといえば、舞台になる山梨とそこで暮らす人たちがとても丁

寧に描かれています。 東京に最も近い固有の文化を持つ町(地

方都市)という印象を持っていますが、おそらくアラサーの山梨県

民であれば、激しく肯いてしまう箇所がいくつもあるのではないか

と思います。 


女性の関係性を描くという点では、角田光代さんや桐野夏生さん

に似ています。 それらと比較するなら、いい意味でも悪い意味

でもエンターテイメントに走りすぎた感が否めませんが、大津波

のようにやってくる読了後の感動に抗うことは至難のワザで、私

涙の床上浸水状態でした。荒波 


すべての女性の方におススメします。





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最終更新日  2010.03.21 11:46:06
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