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テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:★★★★★な本
「クウネル」の人気連載─深々と心にしみる短篇小説集。 <感想> ★★★★★ だいたい週に1~2回の頻度で、拙い感想をUPしている私ですが、 ここしばらく頻繁に「新境地」という言葉を使っています。 どちらか といえば、若手の作家さんの作品を読む機会が多いせいだと思い ます。 もちろんその作家さんたちが窯変を遂げていくさまを見届 けることができるのは、同時代に生きている読者の特権で、現代 文学を楽しむひとつのパーツだったりもするわけですが、予想以上 の変化にはしばしば戸惑ってしまいます。 長年、菊池桃子さんの ファンをしていますが、強いトラウマになっているラムー結成事件を 思い出したりもします。(汗) さて、前置きが長くなりました。 本書は川上弘美さんの最新刊。 250頁に22編が収められた短編集です。 『Ku:nel』という雑誌の 連載をまとめたものですが、その一冊目が既刊の『ざらざら』で、 本書は二冊目にあたります。ページを開いた瞬間 わたしたちは、穴に住む。(「海石」) という文字が飛び込んできます。 蛇足にしかならないので詳細 は省きますが、いずれの作品も That's 川上弘美!! この作品集に「新境地」は存在しません。 川上弘美さんのファンなら120%満足できる作品集だし、そうで はない方にも、優れた短編小説を読みたいという欲求を満たす 一冊になりえると思います。 すべての作品は独立していますが、登場人物が『ざらざら』とリ ンクしているので、お読みになっていなければ『ざらざら』からお 読みになることをおススメします。 『ざらざら』のレビュー お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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