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2010.06.20
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カテゴリ:★★★★★な本

美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。



<感想> ★★★★★

冒頭からこんなことを申し上げて恐縮ですが、この作品が文学的に優れて

いるとか、文章が個性的などというつもりはありません。 どちらかといえば

典型的なベストセラー本の類です。 恐らく小説に芸術性を求める方には

著しく不向きな作品だと思います。 おしなべて言うなら三浦しをんさんの近

著はその傾向が強いように思います。 ただ、三浦しをんさんを、作家とい

う側面から見た場合に於いては、その本を手に取った読者の八割を満足さ

せてしまう実力は否定しようがありません。 後世に残って、とんでもない値

段がつく茶碗もすばらしいとは思いますが、日常の生活で使われる茶碗こ

そ手に馴染むいいものであって欲しい。 乱暴な喩えをしましたが、現代文

学とはそのようなものであると思います。


さて、前置きが長くなりました。 

都会暮らしの若者が、自分の意思と無関係に山奥に放り込まれて林業に携

わるという筋立ての本書は、それぞれのキャラクターもイキイキと描かれてい

て楽しめますが、林業という仕事の本質に迫るあたりが秀逸です。 なあなあ

と暮らす人たちの仕事ぶりや生き方はともすればのんびりしているように思い

がちですが何十年、何百年というサイクルのなかで営まれている仕事は、上

司から「日々結果を出せ!」とせっつかれている私などからみれば、その壮

大さには口あんぐりです。  しかし、そこには守らなくてはならないルールが

あります。 それは、法律やモラルではなく、目に見えるもの見えないもの、

不思議だと感じるものの中にゆる~いカタチで存在しています。 そのあたり

を読む込むと、この作品の良さを実感することができると思います。


『風が強く吹いている』でも感じましたが、スポーツや職業を根性気合で表

現する従来の作品と一線を隔しているのも、三浦作品がウケる要素のひとつ

かもしれません。


余談ですが、この本の表紙をめくると一枚の大きな絵があります。

228頁8行目からのひとコマですが、こういうの面白いですね。

↑反転しときます。 

お分かりにならない方は、なあなあ再読をお楽しみください。






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最終更新日  2010.06.20 13:42:42
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