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テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:★★★★★な本
「おまえは俺のこと、見つけられるって」少女は踏み込んだ、愛と破壊の世界へ。デビュー10周年記念書き下ろし作品。 <感想> ★★★★★ 本書は島本理生さんの最新刊。 二冊組700頁の書き下ろし作品です。 さて、この作品は主人公が中学三年の時から話がはじまります。 舞台 は茨城県の筑波です。 一人称で綴られる文章はみずみずしくて、少 女の成長物語といった感じで進行していきますが、しばらく読み進むと 物語の底流をなすであろう不穏な空気を感じ取るようになります。 そ れと同時に主人公が暴走しはじめますが、その関連性に言及されるこ とはありません。 そのせいか主人公に感情移入どころか、その行動自 体がまったく理解できず違和感を覚えました。 ここまでキャラクターに関して、よく言えば姫野カオルコさんの『ツ・イ・ラ ・ク』のぶっ飛び中学生。 すごく意地悪な言い方をするなら、あまり丁 寧ではないケータイ小説のヒロインのようです。 私にとって島本作品は 100%信頼のブランドなわけですが、今回は・・・・・・という思いがちょっ と頭をもたげてしまいました。 下巻は上巻のラストから二年半を経た時間軸で語られます。 ここでは 上巻で明らかにされることのなかった不穏な空気の正体が少しづつ明 らかになってきます。 あっ!それってもしかしてそういうこと?と気づ いた瞬間、上巻で抱いた違和感がまったく別のものに変わっていきます。 おそらく、その違和感が強ければ強かったほど、薄っぺらなケータイ小 説のヒロインと思われた主人公に感情移入できるのではないかと思いま す。 ミステリーのどんでん返しのような手法はとても新鮮でした。 『どうか私だけの神様になって。 私を許して。』 (下巻327頁) ネタばれするので、あえてこの作品のテーマには触れませんが、タイトル の「アンダスタンド・メイビー」は読者に投げかけられた言葉のような気が します。 かなりハードなテーマですが読後感はそれほど悪くありません。 気になっている方にはヨーシャなくおススメします。
★りおっち情報★ 本書の刊行を記念して、中央公論新社との企画で期間限定Twitterが 開かれています。 ちょいとのぞいてみたら衝撃の事実が!!!! 作家の佐藤友哉さんと離婚した島本理生さんですが、再婚したそうです!! 再婚相手は・・・・・ 佐藤友哉さんだそうです。(笑) 島本理生 @shimamotorio http://twitter.com/shimamotorio お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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