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カテゴリ:★★★★★な本
日本中を震撼させたテレビドラマ『傷だらけの天使』。そのラストシーンから三十余年後、木暮修は新宿を離れ、公園で宿無し生活を送っていた。しかし暴行により意識不明になった仲間が自分の身代わりだったことを知り、姿を見せない敵を突き止めるため、弟分の亨を死なせた街、新宿に再び足を踏み入れる。ドラマファンの期待を大きく上回り、ドラマを知らずとも一気に世界に入り込める、圧倒的エンターテインメント。
<感想> ★★★★★ 『傷だらけの天使』は萩原健一さん主演のドラマです。 ちょっと調べてみたら放映されていたのは74年秋からの2クールだった ようです。 のちに不朽の名作とされるドラマになりますが、本放送放映 当時小学生だった私はいまひとつついて行けない内容でした。 ただ、 あの最終回だけは小学4年生だった私も強く印象に残っています。 さて、本書はその最終回から30年後を描いています。 初出は08年に出た「小説現代」の別冊『不良読本』。 チェックは入れて いたものの今まで手にしませんでした。 理由は矢作俊彦さんが数々の 作品で生み出してきたキャラクターと、ショーケンが演じたオサムのイメー ジがあまりにもかけ離れているからです。 本格ハードボイルドを貫くのか? ドラマの雰囲気を優先するのか? 10頁も読むとわかりますが、今回矢作さんがチョイスしたのは後者です。 ドラマをご存じない若い世代の矢作ファンであれば、コミカルな展開のド タバタ劇に失望感に似たものを味わうかもしれません。 もし、そのように 感じたのであれば、ぜひドラマのDVDを観てください。 キャラクター各々 に漂う頽廃のムードや70年代独特の倦怠感。 それを無理なく、35年後 の現代に甦らせた手腕は、ただただ感嘆です。 逆にドラマをご存知の方にとっては理屈抜きで120%楽しめ作品です。 「昨夜は新宿コマでアイドル総動員のコンサートがあったんです。 それ に真ん中の映画館では”相棒”って映画の舞台挨拶をやってた。・・・・・」 この一節を読んでおぉぉーと思った方に強くおススメします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.01.01 10:41:14
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