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昼ドラHolic ~美しい罠~

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October 3, 2006
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カテゴリ:昼ドラ
新しい昼ドラが始まったと言うのに、考えるのは「美罠」の事ばかり。
昨日の夜はこんな事を考えてしまいました。
第一回の映像を思い出しながら読んでいただけると嬉しいです。

***

槐目線で見る『美しい罠』/第1話「新・危険なゲーム」


これは”ゲーム”だ。決して”復讐”などではない。
あの男に対して復讐だなんて、そんな高尚な感情は似合わない。
あの男を追い詰め、全てを奪う。
そして、俺の無くした心を取り戻す。
それが俺の仕掛けるゲーム。

だが、ゲームを進めるには駒が要る。
チェスボードの上で、俺の意のままに動く駒。

・・・わらの女。

俺はゲームに勝つためならどんな覚悟も厭わない。
何故なら、俺はもう心を無くしてしまったから。

あの男に、幼い頃から理不尽な理由で殴られ続け、
その痛みに耐えるには、心を閉ざすしかなかった。

自分の痛みなんかもう何も感じない。
そして、人の痛みも、人の愛も、慈しみも。
俺にとってそれらは全部、ゲームの駒にしかなり得ない。

山荘の暗い地下室の中で、
俺は天窓の星を見上げながらずっとゲームのシナリオを描いてきた。

まずは、あいつに女をあてがう。それも、刹那的な愛人なんかじゃない。
あいつが命を掛けて愛するほどの、妻となれる器の女。
そしてそれには条件がある。

『求ム花嫁、当方、莫大ナ資産アリ。
デキレバ看護師資格アリ、世間ヲ知リ、家族係累ナク、贅沢ナ暮ラシニ適スル方。
タダ美シイダケノ馬鹿ナ人形ハオコトワリ。』

俺は、携帯の出会い系サイトで目星をつけた何人かの女にメールをした。
金の為なら愛してもいない男と平気で寝る女。
しかし、それなりに賢い女。
・・・いや、賢い「人形」。

返事はいくつか来た。しかしなかなか駒として使える女は出てこない。
そんなある日、一通の返事に目が留まった。

『当方、看護師資格の他には、家も家族も友人も、
そしてお金も、これ以上失うものすら何もない独身の女です。
でも、貴方の言う贅沢な暮らしが出来るなら、
どんな代償も受け入れるだけの覚悟と強さを持ち合わせています。
たとえ貴方がどんなに病弱だろうと、身の毛もよだつ怪物だろうと、いやらしい変態男だろうと。
私が魅力を感じるのはただ一つ、あなたが持っている莫大な資産だけなのですから』

それは、確かな予感だった。・・・このゲーム、必ず勝てる。

俺は彼女の事を調べあげた。
「飛田類子」。
中学生の時に一家心中に巻き込まれ、一人命が助かった女。
看護師の仕事は辞めて、現在はパチンコ店に勤務。友もなく、失うものは何もない。
あの男・・・不破恒大の花嫁候補として、まずは一次審査をクリアといったところか。

俺は彼女に会う事にした。
場所は、いわゆるセレブのご用達ホテル。
ここの従業員も、ここに集う人達も、今後何があろうと
誰と誰が会っていたなんて口が裂けても言わないだろう。
それが上流社会の掟だから。

そして会う日は、彼女の29歳の誕生日。
女はそういうロマンチックな出来事に運命を感じる生き物だから。
俺はメールの返事を送った。
『是非、オ会イシタイ。費用ハスベテ、当方デ負担。』

その日は、少し風の強い日だった。
青い海と、木々の緑とが美しい小道を、赤いワンピースを着た彼女が歩いてくるのが見えた。
俺はその姿をカメラに収めた。いずれこれは、俺がゲームを遂行する為に必要になる。
彼女の帽子を風が奪う。帽子は遠く風に舞い、俺の足元にと落ちて来た。
彼女は帽子を見つけられない。
何故なら、既にそれは俺の手中にあるから。

扉の向こうには、飛田類子。これから最終面接を始める。
不破恒大の妻として・・・いや、ゲームの駒として、それにふさわしい女かどうか。

扉を開ける。
槐「どうも、お待たせしました」
部屋の中で彼女は、俺の顔を見て息を飲んだ。

槐「どうかしましたか?」
類子「あ、ああ、いえ、あのメール、ほんとに貴方が?」
槐「ええ。ヒルデさんですね。貴女からの返信メールも確かにいただいてます」
携帯電話を取り出し、俺は類子からのメールを読み上げた。

彼女は気まずそうに言う。「何だか露骨・・・」
俺は類子の前に座って言った。
「とんでもない。露骨どころか実に率直だ。
私が貴女のメールに魅かれたのも、正にこの率直さです。
しかも貴女は、なんの代償もなしに人から物をもらえるはずがないとよく分かってらっしゃる。」
憮然として彼女は言う。
「当然でしょ。世の中ってそういうものですもの。ほんと、不公平」
槐「メールでは既にご家族はいらっしゃらないようですが、どうなさいました?」
類子「事故で死にました。両親も妹も。交通事故です」
槐「いくつの時に?」
類子「私がまだ中学生のとき。」
槐「それ以来、ずっと一人で?」
類子「ええ、親戚の家に預けられて、そこから学校に通って看護師資格を取りました。
一人でも食べていけるように。
・・・だけど、そんな昔のことより、大切なのは私たちのこれから。
そうじゃありません?
それに、私のことなら本当はもう何もかも調べてらっしゃるんでしょ?
今は看護師はやめてパチンコ店では働いていることも、
今日が私の20代最後の誕生日だってことも」

類子は振り返って薔薇の花を見る。
「あの29本の薔薇は、それを知ってて・・・違います?」
槐「なるほど。貴女は実に勘がいい。驚きました」
類子「私これでも、馬鹿な人形ではないつもりですから。」
槐「おっしゃる通り。どうやら貴女は、私が求めていた方のようだ。
お会いできて嬉しいです。飛田類子さん」
類子「やっぱりご存知だったのね!私の名前まで。
でも不思議。貴方のような方があんなメールで花嫁を募集するなんて。・・・狙いは何ですか?」
槐「それにお答えする前に、一つ確認しておきたいことがあります。
貴女は贅沢な暮らしができるなら、どんな代償も受け入れるだけの覚悟が本当にありますか?」
類子「ええ、もちろん。
私、食べる為に毎日あくせく働いて、それをひたすら繰り返すだけの暮らしにはもううんざりなの。
そこから抜け出すことができるなら、たとえ愛情のかけらもない結婚だろうと、
莫大なお金がすべて解決してくれる。そう思ってました。
まさか相手が、貴方のような方だとはちっとも期待していなくて・・・」

彼女は少し嬉しそうに俺の顔を見た。
女なんて、大概はこんなものだ。
しかし俺は、愛だの恋だの、
そんな甘い砂糖菓子のようなものを欲しがるつまらない女を必要としない。
けれどこの女、駒としての資質は充分にある。
俺は彼女を完全な「わらの女」として育てあげることに決めた。

槐「それは良かった。期待なさらなくて何よりでした」
俺の言葉に彼女は驚く。
槐「貴女の結婚する相手は私ではありません。
私はただ、貴女の試験をした。それだけです」
俺は席を立つと、大きく丸い黒い箱を、彼女の目の前に置いた。
槐「そうと知って、もうこれ以上私の話を聴く必要がないと思われたなら構いません。
どうぞ今すぐ、これを持ってお帰りください」
彼女が箱を開ける。中には、彼女の赤い帽子。
・・・彼女は箱を閉じて言った。
「いいえ、うかかがいます。その為に来たんですから」

槐「実は、貴女にある資産家を紹介したいのです。
その資産家はかなり気難しくて皮肉屋で、人を信用せず・・・
しかも貴女にとっては父親ほどの年齢です。
しかし、どの欠点も、彼が持っている莫大な資産を思えば、
笑って我慢できる程度のものでしかない。
おまけに、年が離れといるという事は、
そう遠くない時期に莫大な遺産が残されるという事でもある」

類子「それはつまり・・・金が目当ての計略結婚をしろと、そういう事かしら?」
俺はテーブルのオレンジを手にした。
「さすがに飲み込みが早い。要するにそういう事です。
ちなみに、彼には亡くなった奥さんとの間に息子が一人います」
フルーツナイフでオレンジを半分に切る。
「妻の相続分は、通常、遺産全体の2分の1。
そして貴女がいずれこの遺産を無事に相続した暁には、
私への報酬としてその半分をいただきたいのです」
更にオレンジを半分に切り、一つを彼女の前に置く。
「貴女と私は、それぞれ遺産の4分の1ずつを手にするわけです。
お互いの取り分は、ざっと2・30億」
彼女が驚きの声を上げる。「2・30億?!」
槐「あるいは、それ以上かもしれない」
類子「・・・なんだか夢みたいなお話ね。第一、私がそんなにうまくその人の妻になれるかどうか。
それとも、間違いなくなれるという保障でもあるの?」
槐「私はその資産家が、どういう人間か・・・その趣味も、その趣向も。
ものの考え方も、充分すぎるほど知り尽くしています。
もし私が女なら、とっくに彼の妻の座に座っていた事でしょう。
だが残念ながらそれは不可能だ。
だからこそ、貴女と言う協力者が必要なのです。
・・・もうお分かりですね。貴女と私、二人が組んで力を合わせれば、
お互い莫大な金を手にするのも決して夢の話ではない」
類子「夢ではない・・・」
俺は彼女の耳元で囁いた。
「これは一種のゲームです。成功するかしないか、やってみるだけの価値はある」

(2/2に続く)





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Last updated  October 6, 2006 12:33:06 AM
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王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…
ボーボー侍@ 脇コキって言うねんな(爆笑) 前に言うてた奥さんな、オレのズボン脱が…
リナ@ 今日は苺ぱんちゅ http://kuri.backblack.net/-6jv9of/ 今…
しおん@ ヤホヤホぉ★ こっちゎ今2人なんだけどぉ アッチの話…
アゲチン@ ありがとうな!!!! http://bite.bnpnstore.com/ogwmxps/ ア…

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