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昼ドラHolic ~美しい罠~

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October 11, 2006
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カテゴリ:昼ドラ
朝、鏡の前でネクタイを締めながら俺は考えた。
・・・類子はどうなっただろう。しかしもう、なるようにしかならない。
そんな気持ちを重く抱えながら部屋を出る。
階段を上がると、サロンの前で千津さんに会った。
何やらブツブツと愚痴を言っている。
槐「おはようございます、千津さん。どうかなさいましたか」
千津「どうもこうもないわよ、沢木さん!
だんな様があの女に、今日の夕食会の為にドレスをプレゼントなさったとか。
私なんて15年お仕えしているのに、ただの一度だってプレゼントなんか・・・」

・・・類子が勝った?!
俺は逸る心を抑えて2階へと上がった。
何かがおかしい。あの男が、こんなに早く類子に屈するわけがない。
きっと何か裏があるに違いない。・・・危険だ!

階段を上がると、不破の扉の前で朝の検診を終えた類子と鉢合わせた。
俺は類子の様子に注意しながら言う。
槐「見事、賭けには勝ったようですね」
類子「言ったはずよ。必ず勝ってみせるって。
食事のためのドレスまで用意してくれて、敵があまりに素直であっけないくらい」
槐「油断は禁物ですよ。貴女が着るのはあくまでもウェディングドレスなのですから」
類子「分かってるわよ。でもそれも時間の問題かも」
槐「・・・たいした自信だ」
類子「自信を持てと言ったのは貴方じゃない」
槐「しかし、自信が過信になるのは危険だ」
類子は少し訝しげに言った。
「それはそうと、夕べはどこに行ってたの?
食事に誘われたことを知らせようとしたら部屋が留守だったわ」
槐「・・・久しぶりに星を見たくなりましてね」
類子「ロマンチックなのね。私が賭けに勝つよう祈ってくれてたの?」
槐「私はそんなにロマンチックじゃないですよ。
誰にも邪魔されず、一人で考えたかった。それでは」
澪との事は、類子には黙っていようと俺は考えた。
類子とのゲームの為には、余計な感情など介在しない方がいいに決まってる。
澪の事も・・・そして、他の誰の事も。

不破の部屋の戸を叩こうとした時、俺は思い出した。
敬吾の言葉。「澪にプロポーズした。もちろん返事はOK!」
澪の言葉「まだ決めたわけじゃないの。
少し考えさせてくれって、そう返事したの。
だって私、次の絵本のことで頭がいっぱいなんですもの。結婚なんてまだ考えられない」

不破の部屋に入る。
身支度を手伝っていると、不破が俺に尋ねた。
「今朝はあの女にあったか?」
槐「はい。ドレスをいただいたと喜んでました」
不破「金には喜ばなくても、物には喜ぶということだ」
槐「しかし驚きました。だんな様が謝罪するとは夢にも思いませんでした」
不破が笑みを浮かべる。
「口はタダだからな。何十回、何百回謝っても1円も損はしない。
それにな、人は何故言葉を発明したか知っているか?自分の本心を隠すためさ。
誰が本気で謝ったりするものか!むしろその逆だ。
この家の主人が誰なのか、あの生意気な女に思い知らせてやるんだ!
今夜が楽しみだ」

・・・やはり、この男は一筋縄ではいかなかった。
類子が油断している所にどんな罠を仕掛けてくるか。
今夜の佐野社長との食事会、ここは一つの山になる。
・・・いや、山ではなく谷になるか。

夕方。
誰にも見られないよう、周囲を見渡しながら俺は類子の部屋の扉をノックした。
・・・返事がない。
またノックをする。やっぱり、返事は無い。
扉をそっと開けると、類子はドレッサーの前で紅を塗っていた。
不破からのプレゼントの、花びらのような淡い色のドレスに身を包み、機嫌の良さそうな類子。
俺が飽きれてその様子を見ていると、不意に紅を置いて類子が振り返った。
類子「・・・ノックくらいしてよ」
槐「何度もしましたが。
女の人は鏡を見ると、自分以外のものに全く注意を払わなくなる生き物らしい」
少しムッとして類子が言う。「・・・何か用?」
槐「怒らないでください。忠告しに来たんですから。
・・・今夜の食事、あの男が何か企んでいるらしい。
貴女に謝罪したのも、本心からではないとはっきり私に言いました。
当然、下心があってのことでしょう」
類子「それならそれで結構よ。見て。なかなかでしょう。サイズもぴったり」
俺の言葉を真剣に聞かず、ドレス姿をみせびらかす類子に、俺は少々苛ついた。
思わず嫌味が口をついて出る。
槐「さすが、隠しカメラで覗いてただけのことはある」
その言葉に、類子は更に機嫌を悪くした。
「そう言うあなたこそ、本心はどうなのかしら。何か下心でもあるの?」
槐「何のことでしょう」
類子「貴方夕べは、一人で星を見てたと言ったでしょう。
一人どころか、可愛い女性と一緒だったんじゃない?」
槐「それが何か」
類子「・・・何かですって?
言っとくけど、私はあなたがどこで誰と何をしようが構わない。
でも、嘘は許せないの。
私と貴方は不破の財産を手にするために、二人で力を合わせようと約束したのよ。
お互い五分と五分の関係のはず。
なのにそのパートナーである私に、彼女のことを隠したのは何故?
理由があるなら知りたいの。聞きたいの」

俺は鏡越しに類子の腹を探った。
類子も鏡の中から俺を睨む。

・・・彼女の事を隠したのは何故だと?決まってるじゃないか。
俺とお前はイーブンなんかじゃない。
だから俺は、お前に本心をさらけ出す必要なんて全くない。

俺は涼やかな顔で嘘を付く。するとそれは、嘘を通り越して真実になる。
俺はずっと、そうして来た。不破の圧力から、自分自身を守る為に。
だから類子にも、同じように嘘を付くだけのこと。

・・・しかし俺の、この不安感は何だ?

俺は、類子の事を全部知っているわけじゃない。
過去の人生の歴史全てがその人間を形成してきたのだとしたら、
俺は類子を信じるに値する、その過去の出来事を知らない。

それが今の焦燥感に通じているのだとしたら、
それを取り除くため、完璧にゲームを遂行する為に、
俺は駒である類子をもっと知る必要がある。

槐「・・・理由なんて別に。隠したつもりもありません。
彼女は今回の私達の計画には全く無関係です。
だから、話す必要もないと思ったまでのこと。
それよりあなたこそ、私にまだ隠していることがありませんか?
貴女の過去にいったい何があったのか。何故看護師をやめたりしたのか。
そろそろ話してくれてもいいでしょう」
類子がふっと笑う。
「そんな必要ないわ。それこそ今度のことには無関係だもの」
槐「それならいいんですがね。私は正直言って不安なんです。
口にしたくない過去ほど昔の古傷にも似て、何かの拍子にぱっくり広がることがある。
ここ一番の大事なときに、その傷が、貴女の足を引っ張るんじゃないかと気がかりで」
類子「・・・ご心配なく。私はそんな弱い女じゃないわ。
たとえ傷口が開いたところで、自分の力で塞いで見せる。
私これでも看護師なのよ。分かったら出てってちょうだい。支度の邪魔よ」
俺はため息をついた。・・・だめだ。もう何を言っても無駄だ。
槐「分かりました。では安心して、貴女のお手並み拝見致しましょう」

俺は類子の部屋を出て思った。
・・・誰が安心なんかするか!
これだけ俺が言ってもだめなら、お前の思うようにするがいい。
もし、不破の罠に落ちるようだったら・・・

この女を切る。
ゲームは初めからやり直しだ。





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Last updated  October 11, 2006 10:13:27 PM
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王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…
ボーボー侍@ 脇コキって言うねんな(爆笑) 前に言うてた奥さんな、オレのズボン脱が…
リナ@ 今日は苺ぱんちゅ http://kuri.backblack.net/-6jv9of/ 今…
しおん@ ヤホヤホぉ★ こっちゎ今2人なんだけどぉ アッチの話…
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