黒い手帳を、もらったの。
階段を登るとある居酒屋。常連。って程でもないが、思い出した頃に顔は出す。自分はそんな感じの客だ。そこで変な客に出会った。スーツ、そこまでは普通。普通じゃないのは、黒い。とにかく黒い、真っ黒な、真っ黒な、スーツと帽子。この客は、紳士ではない。紳士は室内で帽子を脱ぐ。手帳を取り出し、自慢話。曰く何でも願い事が叶う。書くと願いが叶うメモ帳。酔ってた自分は奪い取る。またまたーとか、言う私。自分も、大分酔っている。返せと言う、黒いスーツ。私はイヤと言う替わりに、 ありがとうその日からメモ帳は私の、私の持ち物になったのだ。